阪神・森下、ここぞの同点打 20イニング無失点G菅野撃ち
(セ・リーグ、阪神2x-1巨人=延長十回、6回戦、阪神3勝2敗1分、18日、甲子園)思い切りのいいスイングで、森下が張り詰めた緊張感を吹き飛ばした。打球は三遊間を抜けて、近本が二塁から悠々生還。極上のチャンスをおいしくいただく同点の適時打で、試合を振り出しに戻した。 【写真】21イニング目で今季初失点を記録した巨人・菅野 「ボールは見えていたので、甘いスライダーか真っすぐ(を狙って)。真っすぐのタイミングでいって、スライダーをうまく前でさばけた」 七回まで抑え込まれた先発・菅野に逆襲したのは0―1で迎えた八回。先頭の代打・前川が左前打を放って出塁すると、近本も左前打でつないで無死一、二塁。バントを試みた中野は菅野の好フィールディングで二走がアウトとなり、1死一、二塁で森下が打席に向かった。 最初の2打席で四球を選び、打てる球の見極めには自信があった。初球に投じられた133キロのスライダーを引っ張り、打球は三遊間を抜ける左前への同点適時打。開幕から20イニング無失点を続けていた菅野から、東海大相模高の後輩が価値ある一打を放った。 ルーキーイヤーから活躍を重ね、取材されない日はないスター街道を歩む。どんな質問にも丁寧に応じる森下だが、甲子園の試合前練習、その後の取材時間が終わった後こそが重要な時間だ。「練習後から試合までの間に少し仮眠をとっているんです」。グラウンドで体を動かして、試合までの時間では一度目をつぶってリセット。そんな習慣が集中力と勝負強さの一端になっている。 前日17日の同戦でも決勝の2点二塁打を放っており、2夜連続の大仕事。さらに延長十回では無死一塁から二遊間を破る中前打で、佐藤輝のサヨナラ安打までお膳立てした。今季18試合で13安打の打率・217ながら、11打点と群を抜く勝敗への貢献度。岡田監督も「いいところでずっと打っている感じ」とべた褒めだ。引き分けを挟んで今季初の3連勝で勝率を5割に戻し、森下の言葉も一層力強くなった。 「連覇に向けてやっていきたいと、(シーズンが)始まる前からそういう気持ちでやっている。やっとイーブンになったので、ここから連勝したいと思います」
甲子園6連戦は折り返し。残り3戦は首位中日が相手だ。まだまだ森下が聖地を沸かせる。(邨田直人)