スマートリングのOuraが310億円調達、「AI強化」で事業の多角化狙う
指にはめるヘルスケアガジェットであるスマートリング。そのメーカーの中で特に広く知られている企業がOura Ring(オーラリング)の製造元のオーラだ。同社は12月19日、シリーズDラウンドで2億ドル(約314億円)を調達したと発表した。オーラのトム・ヘイルCEOは、今回の調達が同社の新たな可能性を切り拓くと述べている。 アップルがApple Watchを発売する以前の2013年にフィンランドで設立されたオーラは最近、Oura Ringの累計販売個数が250万個を超えたと発表した。同社の評価額は、この調達で2022年当時の2倍となる52億ドル(約8170億円)に上昇した。 オーラによると、月額5.99ドル(約940円)であらゆるデータにアクセスできるサブスクリプションモデルが軌道に乗り、売上はここ1年間で2倍以上に増加したという。Oura Ringは、軽量のチタン製リングで、24時間装着することでデータを記録し、iPhoneやAndroid端末のアプリに指標を表示する。 「我々は、『健康を日常的なものにする』というミッションを推進する上で大きな進歩を遂げることができた。今後は人工知能(AI)開発を戦略の中心に据え、今回調達した資金で新たな機会を開拓していきたい。オーラには多くの人の生活を変える可能性があり、イノベーションによって業界をリードし続けながら、リング以外のビジネスチャンスも追求していきたい」とヘイルは語った。 Oura Ringは初期段階では睡眠とアクティビティに焦点を当てていたが、最近では心臓の健康やストレスと回復力のトラッキング、女性の健康などに領域を広げている。 今回のラウンドは、フィデリティ・マネジメントと医療機器メーカーのデックスコムが主導した。オーラによると、同社の累計調達額は5億5000万ドル(約860億円)を超えたという。 「ウェアラブルテクノロジーは、自身の健康状態をより良く理解し、より最適な生活をより長く続けたいと願うすべての人のためのものだ。我々は、絶え間ない技術革新を継続し、ユーザーに卓越した価値を提供することにコミットしている。今回の資金調達は、まさにそれらを可能にするものだ」とヘイルは語った。
David Phelan