容疑者「殺害前に睡眠薬を飲ませた」 多摩川スーツケース遺体
川崎市の多摩川河川敷でスーツケースに入った原唯之さん（当時46歳）の遺体が見つかった事件で、殺人容疑などで逮捕された元交際相手の西高舞容疑者（32）＝大阪府高槻市＝とその家族ら計5人の一部が「殺害前に原さんに睡眠薬を飲ませた」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で判明した。原さんが抵抗するのを困難にしたうえで殺害したとみて、県警捜査1課は5人の役割の解明を進めている。 【図解】容疑者5人と原さんの関係 複数の捜査関係者によると、原さんは23年12月中旬、舞容疑者の実家がある東京都大田区のアパートで殺害されたとみられている。実家には舞容疑者の母親の美保（51）と兄の昌吾（34）の両容疑者が暮らしていた。 原さんの死因は窒息死で、舞容疑者の父親の昌浩容疑者（53）＝千葉県船橋市＝が「結束バンドで首を絞めた」などと供述。殺害を容易にするため、事前に睡眠薬を原さんに飲ませたとみられるという。 その後、父親と兄、舞容疑者の交際相手の岩城周平容疑者（39）＝高槻市＝の3人が実家近くで黒の大型スーツケースを車に積み込んで運搬していた。1～2キロ離れた遺棄現場の大田区側の多摩川河川敷まで運んだとみられている。 原さんの遺体の入ったスーツケースは23年12月29日夜、釣り人が発見。原さんの手足は縛られており、携帯電話や財布は身につけていなかった。スーツケースには舞容疑者がインターネットで購入した重りのダンベルと、浮輪がつけられていたという。 県警は5月25日、原さんの遺体をスーツケースに入れて遺棄した疑いで5人を逮捕した。今月14日、殺人容疑で5人を再逮捕している。【宮本麻由、矢野大輝、横見知佳、柿崎誠】
