慶應&大阪桐蔭が四国の5チームに伝えた「全国で勝つための方法」とは!? 香川・徳島招待試合がもたらした財産
6月8、9日の両日、香川県では昨夏甲子園Vの慶應義塾(神奈川)、徳島県では春夏9度の甲子園優勝を誇る大阪桐蔭(大阪)を招いて行われた県高野連招待試合。結果は慶應義塾が高松商、英明に勝利し、大阪桐蔭は富岡西、阿南高専に勝利も、阿南光に惜敗。2日目は両県共に雨天のため中止、ノーゲームとなったが、試合の結果云々よりも有形無形の財産を四国の地にもたらしてくれた。 【一覧】徳島県招待試合 大阪桐蔭試合結果
「勝利につなげる」術を持った慶應義塾
これからリゾート地にでも行くような満面笑顔でレクザムスタジアム入りし、アップもゆったり目。慶應義塾の「エンジョイ ベースボール」を試合前は各自で行っていたが、高松商戦の試合開始サイレンを合図に彼らは完全に戦闘モードに入った。 結果は高松商の4番・江戸 佑太郎内野手(2年)が2ラン含む3安打4打点、3番の主将・加藤 右悟捕手(3年)も3安打4打点を含む15安打で12対6。英明にも9安打を浴びせ7対3と連勝した。コンパクトかつ強いスイングの打線はもちろんのこと、それ以上に感心したのはベンチから端的かつ具体的に指示を出すことや、現状のディフェンス面にやや問題を抱える中でも、チームとして価値につなげる「グループワーク」であった。 高松商戦を一例にあげれば、昨夏神奈川大会と甲子園で大車輪の活躍をした小宅 雅己投手(2年)が5回途中6失点(自責点2)と乱れたが、後を継いだ2投手が無失点。特に3番手の加賀城 祐志投手(3年)は終盤2回を死球1個のみだった。対する高松商投手陣は、5投手中140キロ超の4投手も揃うが「最近の試合では制球が安定しない」と語る長尾 健司監督の懸念が、裏目に出る形で失点を重ねたことと対照的であった。 その半面、高松商は公式戦初登板右腕の筒井 羽琉投手(2年)が低めへの丁寧な配球で3回3分の2を0に抑えた。英明も2番手の190センチ右腕・植上 大雅投手(2年)が130キロ後半を連発し、4回3分の1で4奪三振無四球無失点と大収穫の内容。香川大会制覇の先、甲子園で勝つために必要なものを、身をもって学んだ両校は、2日目に合同練習を行った尽誠学園を含む香川県球児に、慶應義塾が示した「エンジョイベースボール」の真意をぜひ学び取ってほしい。