「認知症グループホーム」とはどのようなところ?…地域のゴミ拾いや夏祭りにも参加
認知症の人が、自宅で暮らし続けるのが難しくなった場合に入居できる施設に、「認知症グループホーム」があります。住宅地に立地し、民家を改装した施設もあり、家庭的な雰囲気の中、少人数で生活できるのが特徴です。 【表】認知症グループホームの基本利用料(月額)の目安
対象は、介護の必要度合いが要支援2以上で、医師から認知症と診断されている人です。一つの住まいの定員は5~9人で、二つを併設している場合が多いです。基本利用料(原則1割負担)は、要介護度に応じ、1か月(30日)で2万2470円~2万5350円です。ほかに部屋代と食費も負担します。 居室は原則、個室で共用の台所やリビングがあります。介護職員が常駐しており、入居者はサポートを受けながら、料理や洗濯、掃除などの家事をすることもできます。ほかの入居者や介護職員と顔なじみの関係を築くことで、心身の状態を穏やかに保てると期待されています。
東京都墨田区の「ソラスト石原あやめ」の管理者の竹川明子さん(39)は「『職員は黒子』を合言葉に、お世話が過剰にならないよう心がけています」と話します。認知症になっても自分でできることはたくさんあります。家事や着替えができれば自信が湧いて、生活に張り合いが出るそうです。
グループホームは、入居者が「地域の一員」として暮らす場でもあります。町内会が定期的に行うゴミ拾いや夏祭りなどに参加するほか、近くの中学校の生徒を職場体験で受け入れたり、保育園児との交流会を開いたりと、地域に密着した活動を大切にしているといいます。竹川さんは「ご近所づきあいは、入居者の生きがいにつながります」と言います。(野島正徳)(2024年10月1日付の読売新聞朝刊に掲載された記事です)