コインベースが主要ビットコインETFでカストディを独占、競合参入の可能性は?
ビットコインETF(上場投資信託)の重要なインフラであるカストディ(管理・保管)サービスの提供をめぐっては、これまでのところそれほど激しい競争は起きていない。米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)が優勢で、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)、ウィズダムツリー・インベストメンツ(WisdomTree Investments)など、ETF上場を希望するほぼすべての企業からカストディを依頼されている。 カストディ業界の大手であるビットゴー(BitGo)が参入できなかったのは注目に値する。
ビットゴー参入の余地は残る
アメリカでビットインETFのローンチを希望している企業のうち、ハッシュデックス(Hashdex)だけがまだカストディパートナーを選んでいない。ビットゴーのマイク・ベルシェ(Mike Belshe)CEOはCoinDeskとのインタビューで、同社がビットコインETFを申請した企業の「多く」と協力していることを認めた。現時点ではわずかではあるものの、まだ参入する余地は残されている。 ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のETFアナリストであるジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は、「コインベースはカストディアンの面で明白なソリューションだと思うし、最も一般的になっているのも当然だ」としながらも、「しかし、他にもいくつかある」と指摘。最終的にいずれかの会社のビットコインETF申請にビットゴーが採用されても驚かないとコメントした。 暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)は最近、米資産運用大手VanEckのビットコインETF申請で採用され、コインベース以外で初めてのカストディパートナーになった。 カストディは、ビットコイン現物ETFをアメリカ市場に導入する取り組みの重要な要素となっている。カストディアンは利用者に代わって資産を保持する。今回のケースでは、ビットコインETFが所有することになるビットコイン(数十億ドル相当になると予想される)を安全に保管し、ハッカーなどの悪者を寄せ付けないようにする役割を果たす。