海底トンネルにカメラが潜入!間近を走る北海道新幹線 老朽化が課題の「青函トンネル」の現状は
その答えはすぐにわかりました。 (記者)「青函トンネルは新幹線だけでなく、貨物列車も通る物流の大動脈となっています」 すれ違いは貨物列車に与える影響が大きく、新幹線が速度を制限しているのです。
(JR北海道 函館新幹線工務所 片寄祐也さん)「通常、新幹線は夜間に線路のメンテナンスをする作業時間帯があるが、貨物列車が走っていることによってメンテナンスをする時間を確保することが大きく苦労している点です」 海の底ゆえ、万一の際の避難所などの維持・管理も欠かせません。 これも大きな特徴です。
34人が犠牲に…完成まで20年以上
この巨大なスケールのトンネル工事が始まったのは、いまから60年前。 当時の熱気を昨日のことのように語り継ぐ歴史の“証人”がいます。 福島町に住む菊地謹一さん88歳です。 青函トンネルの地質調査などに携わりました。 (菊地謹一さん)「(当時は)みんなが青函トンネルを掘るんだと、本州とのレールを一本にするんだという気持ちはみなさん持っていた」
貫通までおよそ20年の間に、度重なる事故で34人が命を落としました。 (菊地謹一さん)「貫通した時に、みなさんはとにかく一心の喜びです。トンネルが完成したんだと、本州と北海道がつながった、その喜びでいっぱいだった」
菊地さんがぜひ見せたいものがあると言います。 工事に携わった人の名前が書かれた日の丸の旗です。 (菊地謹一さん)「青函の思い出になる大きな宝物。耐用年数が100年と言われているけど、100年のものを200年でも使えるように維持をして、日本のために使っていただきたい」
維持管理費は年間40億円前後 負担の行方は…
青函トンネルが開業して36年ー。 菊地さんの思いとは裏腹に、解決すべき課題は少なくありません。 (JR北海道 函館新幹線工務所 片寄祐也さん)「これは青函トンネルで湧き出している湧水です。これをポンプで地上に排出する」