リニア調査ボーリングがたった10メートルで終了…「反リニア」川勝前知事の「呪い」との噂も
調査ボーリングにストップをかけ辞めた前知事
JR東海は12月6日、突然、リニア山梨工区の高速長尺先進ボーリング(調査ボーリング)を山梨県と静岡県境から静岡側へ10メートル入った地点でいったん終了することを発表した。 【写真】静岡県の鈴木知事が過酷なリニア現場を視察 本来は、少なくとも静岡県内の未調査区間300メートルまでは調査ボーリングを行う予定だった。結局、たった10メートルしか調査できなかったから、残り290メートルは未調査のままである。 さらに、その先の約800メートルもある南アルプス最大の難所、畑薙断層帯の調査ボーリングを進め、静岡工区、山梨工区境までの地質構造などをなるべく詳細に明らかにすることも考えていた。 ところが、静岡県内に入り、たった10メートル区間で調査終了となったから、「いったい何が起きたのか」、「不測の事態となっているのでは」と大井川流域関係者らから不信の声が上がった。 ことし5月から、周辺の地盤沈下などでリニアトンネル掘削を中断している岐阜県瑞浪市の日吉トンネル工事でも当初、JR東海は周辺の地盤沈下とトンネル工事との関係を明らかにしなかった。このため、住民らはJR東海の情報提供のあり方に不信感を抱いた。 また、10月には東京都町田市の第一首都圏トンネル掘削の沿線で、地下から水や気泡が湧出する事態が発生した。リニア工事との因果関係を調査してきて、最近になって、ようやく、シールドマシンによる掘削工事が原因だと、周辺住民らに説明するという。 12月17日に開かれた静岡県リニア地質構造・水資源専門部会では、これまでのJR東海の対応を踏まえ、調査ボーリングの情報公開のあり方に問題があるとして、苦言を呈する場面が続出した。 この結果、静岡県は、大井川流域の10市町長らが参加する「大井川利水関係協議会」で、今回の突然の調査ボーリング終了について丁寧に説明するようJR東海に求めた。 反リニアに徹した川勝平太前知事は「静岡県内の調査ボーリング」にストップを掛け、断固許可しない姿勢のままことし5月に辞めてしまった。