スクールロイヤーとは――法の視点で学校の問題解決支援
■学校と協力しつつ多角的な視点を持つことが大事
教育現場で起きる問題は複雑で、一刀両断で解決することが難しいため、スクールロイヤーとしては、学校分野の法律や判例の知識を持つだけでなく、話を丁寧に聞いて、一緒に考えていくスキルが必要になってくるといいます。 「問題が起きたあとの、次の一歩がやっぱり難しいところ。学校と一緒に悩んで、こどもたちのために、次のより良い一歩を考えることが大切です」 一方で、気をつけていることについては……。 「学校から話を聞くっていう時点で、一方から話を聞いているというバイアスがあることを常に認識して、注意しています」 「話を聞いた上で、別の事情もありうるのではないか、子どもや保護者から見たら違う視点があるのではないかなど、多角的な視点を持っておくことが重要だと思います」
■判断に悩んだら相談を
学校現場を取り巻く環境が変化するのにあわせ、関連する法律やガイドラインも増え続けていますが、こうした法律を、教員がすべて把握することは極めて困難です。そのため、学校だけで問題を抱え込まず、教員の負担軽減や適切な早期対応・解決のためにも、文科省は早期の段階からスクールロイヤーに相談することを促しています。 「学校現場においてほとんどが、これ別に弁護士に聞く話じゃないよねと、相談するのを躊躇してしまうことが多いと思います。しかし、相談してもらえると、法律に基づくアドバイスはもちろん、問題解決に向けてできることはたくさんあるので、判断を迷った時にはためらわず、スクールロイヤーに相談してほしいです」 専門家として知識を共有し、学校などと連携を取りながら教育現場を支える一員として、スクールロイヤーの活躍が今後も期待されます。