「言った言わない」の不毛すぎるやり取りをなくして、社員にやる気を出させるシンプルな方法とは
問題行動の背後にあるもの
「問題のメンバーが、その会議ではどんな立ち位置でどんな発言や参加態度を求められているのかを可視化して伝え、実現できたかどうかについても毎回フィードバックして伝えることが求められます。 そこまでやってはじめて、会議に絶対に遅れるわけにはいかない、むしろ早く到着して会議参加者とやり取りしながら場の空気づくりでもしておいたほうが良さそうだな、そうだアジェンダも自分で提案して、事前に参加者の中でも発言力がある人とすり合わせして会議進行の流れも事前にイメージしておこう……などと、自発的・主体的な参加態度が生まれる可能性が出てくるのです」 問題発生要因を特定すれば、そもそもマネジメントの品質に問題があったことがわかっただけでなくメンバーの主体性を引き出すことにも成功した――実際にそんなことがコンサルティングを担当した企業でもあったという。 「遅刻の話は、あくまでたとえ話ですので、『そもそも寝坊は論外だろ!』というツッコミは脇においてくださいね(笑)。ただ、寝坊に限らず、問題行動をルーズさやだらしなさの表れと片付けるのではなく、原因を可視化することで、これまで見えていなかった問題点や視点が現れてくることも少なくないと思いますよ」
菊池明光(きくち・あきみつ) 1978年埼玉県生まれ。早大政経学部を卒業後、(株)リクルートに入社。13年間の勤務ののち退社、ベンチャー2社を経て、2016年に(株)可視化を創業。超有名企業から中小企業まで「営業ノウハウ可視化」のコンサルティングを行ってきた。『とにかく可視化 仕事と会社を変えるノウハウ』が初の著書となる。 デイリー新潮編集部
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