小池都政8年間の“最大の問題点”。7つのゼロ未達成、謎の東京アラートよりも注目すべきは
くすぶり続ける小池氏の学歴詐称疑惑
もう一つ、小池都知事に付いてまわるのが学歴詐称疑惑です。自身のプロフィール内に、エジプトのカイロ大学を首席卒業したとあったわけですが、この首席というのは本人の勘違いだったという弁解もされています。小池都知事は卒業証書を証拠として公開していますが、学歴詐称疑惑はずっとくすぶり続けていて、選挙のタイミングごとに取り沙汰されます。 4年前の選挙のときにも、石井妙子さんによる『女帝 小池百合子』(文芸春秋 刊)という小池都知事を扱ったノンフィクションが出版され、その中で小池都知事のカイロ大学時代の同居人・北原さん(単行本出版時は仮名、文庫本出版のタイミングで実名で告発)の証言によって、カイロ大学の卒業にかなり疑わしい点があるという告発がされていました。 この本は広く読まれ、再び小池都知事の学歴への疑問が高まったのですが、その際、Facebookの駐日エジプト大使館アカウントから、カイロ大学の声明文が発表されました。「小池百合子はカイロ大学を卒業しました」という声明がカイロ大学から出たため、追及は一旦は止むことになりました。 ところが2024年4月に発売された『文芸春秋』で、都民ファーストの会東京都議団政務調査会事務総長を務め、小池都知事の元側近である小島敏郎さんが「私は学歴詐称疑惑の隠蔽工作に加担してしまった」という手記を発表しています。カイロ大学の声明文の原稿を書いたとされるジャーナリストも登場します。外国人記者クラブなどで会見をした小島さんは、もし次の選挙で学歴にカイロ大学卒業と小池都知事が記した場合は、公職選挙法違反による刑事告発も考えているという姿勢を見せています。
「小池都知事のプロフィール」が最大の注目点に…
同居人からの告発がある中で、今度は元側近による告発が出ている点は、非常に大きいのではないかと思います。 実はメディアはあまりこれを取り上げていなかったんですが、最近は毎日新聞でも小池百合子さんの過去の発言などを踏まえて、なぜこの学歴問題がいまだにくすぶっているのかという検証記事を上げています。小池さんのキャリアの出発点がカイロ大学卒業であったことを考えれば、学歴問題は決して小さなものではないと思います。 小池都知事の出馬に関して、プロフィールに学歴のことを書くかどうかが、最初の注目点になってしまっていると思います。 僕の予想では、小池都知事は非常に弁も立つし、メディア戦略に長けた人でもあるので、もしこの学歴詐称疑惑に向き合うとしたら、 「今後2024年からの東京は、学歴などのステータスに頼らずに、あらゆる人にチャンスを与えることができる。誰1人取り残さない行政を目指してまいります。そのために私も率先して学歴をアピールしない」 とすら語るのではないかと思っています。これは完全に僕の憶測ですが。 <文/ダースレイダー 構成/女子SPA!編集部> 【ダースレイダー】 1977年、フランス・パリ生まれ。ロンドン育ち、東京大学中退。ミュージシャン、ラッパー。バンド、ベーソンズのボーカル。吉田正樹事務所所属。2010年に脳梗塞で倒れ、合併症で左目を失明。自身のYouTubeチャンネルから宮台真司、神保哲生、プチ鹿島、町山智浩らを迎えたトーク番組を配信している。2023年には映画『劇場版センキョナンデス』『シン・ちむどんどん』(プチ鹿島と共同監督)公開。近著に『イル・コミュニケーション―余命5年のラッパーが病気を哲学する―』(叢書クロニック)など
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