パレスチナ問題扱う政治主張強めのシューターはテロ関連コンテンツ?英対テロ組織の要請受けSteam販売一部停止へ―制作者は『CoD』を例にダブスタを主張
海外メディアの404 Mediaは、インディーデベロッパーのNidal Nijm氏が手掛けたアクションシューター『Fursan al-Aqsa: The Knights of the Al-Aqsa Mosque』がイギリスのSteamで販売が停止されたことを報じました。 【画像全4枚】
政治的な理由によりイギリスSteamで販売停止―制作者はダブルスタンダードを主張
本作は、イスラエルとパレスチナの紛争をモチーフにしたアクションシューターです。ストアページでは現実の人物・組織・出来事とは無関係のフィクションだと強調していますが、実在の組織を連想させる描写があり、イスラエルの軍事占領に対する抗議のメッセージであると主張するなど政治色の強いゲームとなっています。
Valveはイギリスで本作が販売中止になったことをNijm氏に通達しました。404 Mediaによると、インターネット上のテロ関連コンテンツの規制を目的とした組織Counter Terrorism Internet Referral Unitからの要請により、国別の制限が適用されたことを説明したメールが同氏に送られた模様です。
同氏は取材に対してイギリスでの販売停止は明らかに政治的な理由によるものであり、責めるべきはValveではなく政府と当局であるとのように主張。湾岸戦争を描いた『Call of Duty: Black Ops 6』が販売停止されていないのはダブルスタンダードであるという旨を述べています。
イギリス政府からの要請によりSteamで販売停止となった本作。政治的な理由でのゲームの取り下げは稀に発生しており、前述の『CoD: BO6』はクウェートでは発売中止となっている他、台湾のRed Candle Gamesが開発したホラーゲーム『還願 DEVOTION』は意図しない政治的揶揄の混入により販売が停止されました。フィクションの世界で物語が動くゲームであっても、ときにその主張や影響力は現実世界とは切り離せない模様です。
Game*Spark 三ツ矢
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