公的年金額は2年連続プラス改定も「年金暮らしの親が要介護になったら」介護費用はどのくらいを覚悟すればいい?
2024年1月19日、厚生労働省が2024年(令和6年)度の年金額の例を公表。前年度(2023年度)から2.7%引き上げられることになりました。 【グラフなど】いまどきシニアが「実際受け取る年金額」分かりやすい一覧表で見る(出所:厚生労働省など) 標準的な夫婦世帯(※)であれば、2人分の年金額は23万483円と、前年度から約6000円もアップ。2年連続のプラス改定となり、一見喜ばしいニュースですが、昨今の物価高には追いついていないのが現状。さらにいうと、現役時代の年金加入状況により、実際に受け取る年金額には個人差が出ます。 年金生活を送るシニア世代、そしてシニアの親を支える子ども世代にとっては、日々の家計管理に加え、近い将来に必要となる「介護費用」について漠然とした不安を抱く人も多いでしょう。今回は、介護費用に関するデータについて整理。最新版の年金データについてもご紹介します。 ※平均的な収入で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と夫婦2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
介護費用の平均は「在宅でひと月4万8000円、施設なら12万2000円」
【在宅・施設】介護にかかる費用の平均は? 生命保険文化センターの「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」から、介護費用の月額に関するデータを見てみましょう。 ●介護費用の平均額 介護費用の平均額を見ていきましょう。この金額には、公的介護保険サービスの限度額を超えて自己負担となった費用も含まれます。 ・一時的な費用合計(介護用ベッド購入や住宅費用など):74万円 ・月額平均(在宅介護):4万8000円 ・月額平均(施設介護):12万2000円 ・介護期間平均:61.1カ月 平均的な介護期間(約5年)に必要となる介護費用のトータル(一時的な費用の合計+月額費用)は、在宅介護で約370万円、施設介護で約820万円になります。 ●介護費用はケースバイケース 在宅介護の場合であれば、住居環境や世帯構成によっても出費に差は出るでしょう。戸建てに住んでいる場合は特に、バリアフリー化のためにお金がかかるかもしれません。高齢者のみの世帯であればヘルパー利用が頻回になることも考えられます。 施設介護であれば、介護付き有料老人ホームなどの民間施設、特別養護老人ホームなどの公的施設、どちらを利用するかによってもだいぶ変わるでしょう。また、要介護度が上がれば介護保険サービスの自己負担費用も増えます。 何より、施設入居中に資金が足りなくなり退去を余儀なくされるという事態は避けたいところ。 物価高騰に伴う施設利用料の引き上げや、夫婦世帯であれば二人が同時に施設入所となった場合の資金面についても頭に入れておく必要もありそうですね。