〔東京外為〕ドル、一時161円台前半=37年半ぶり高値、実需買いで(28日正午)
28日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、国内輸入企業による実需のドル買いを背景に、一時1ドル=161円台前半に上昇した。1986年12月以来、約37年半ぶりの高値を更新した。正午現在は160円92~93銭と前日(午後5時、160円54~55銭)比38銭のドル高・円安。 前日の米国時間は、朝方に発表された1~3月期米GDP確定値の個人消費が下方修正されたことで景気減速懸念が広がり、160円20銭台まで下落した。その後は、月末と四半期末によるドル買いフローが優勢となったほか、ユーロ円の上昇に連れて、終盤には160円80銭台まで買い戻された。 こうした海外市場の流れを引き継ぎ、この日の東京時間は160円70銭台でスタート。中値にかけて、月末と四半期末で駆け込み的な実需のドル買い・円売りが膨らんだことを背景に、一時161円20銭台まで上昇。実需のドル買い一服後は、160円台後半に水準を切り下げた。 市場からは「実需の動きに対しては介入しづらいのではないか」(大手証券)との声が聞かれた一方で、「いつ介入があってもおかしくない」(外為仲介業者)との見方もあり、投機的な動きが強まれば政府・日銀による為替介入の可能性がいっそう高まるとみられる。また、米国時間には5月のPCE物価指数の発表が予定され、市場予想を上回る結果になれば「162円に近づく可能性がある」(資産運用会社)との指摘があった。 ユーロは朝方に比べ対円で上昇、対ドルで下落。正午現在、1ユーロ=172円09~10銭(前日午後5時、171円61~62銭)、対ドルでは1.0693~0694ドル(同1.0689~0690ドル)。