女子児童が自殺ほのめかしたノートに「花丸」、奈良市側「教員に義務違反はない」と争う姿勢
奈良市立小学校でいじめを受けた女子児童が自殺をほのめかす言葉を記したノートに、担任が「花丸」を付けた問題で、学校などの不適切な対応で精神的苦痛を受けたとして、女児と両親が市に対し、慰謝料など計約250万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回弁論が13日、奈良地裁(和田健裁判長)であった。市側は「教員に義務違反はない」として争う姿勢を見せた。 【写真】担任が「花丸」を描いて女児に返したノート
訴状によると、女児は2021~22年に同級生の男児からいじめを受け、22年6月、ノートに「わたしは死ねばいいのに」と記して担任へ提出。担任は「花丸」を付けるなどして、女児にノートを返却した。
原告は、いじめが明らかになって以降、学校や市教育委員会が対策を怠ったと主張。その後、女児はPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されるなど、精神的苦痛を受けたとしている。
初弁論後、原告の代理人弁護士は「奈良市は法や指針の意味を理解していないと感じる」と述べた。女児の両親は代理人を通じて「答弁書を見て、改めて不信感や絶望感を感じた。残りの小学校生活が安心したものになることを願いたい」とコメントした。