ヤクルトD4位・田中陽翔、目標は宮本慎也氏の「6」継承「GG賞10回、超えられるように頑張りたい」
ヤクルトからドラフト4位指名された健大高崎高・田中陽翔(はると)内野手(18)が31日、群馬・高崎市の同校で橿渕聡スカウトグループデスク(50)らから指名あいさつを受けた。父はロッテ、ヤクルトで通算79試合に登板した田中充(たかし)氏(49)。高校通算21本塁打を誇る強肩強打の遊撃手は、プロでの目標として2000安打達成と名遊撃手、宮本慎也氏(53)が現役時代につけていた背番号6の継承を掲げた。 大きな背中を追う。指名あいさつを受けた田中が、中学3年間指導を受けた、元ヤクルト内野手、宮本慎也氏の記録に挑む決意を示した。 「すごい記録を持っている方なので目標にしたい。10回もゴールデングラブ賞を取るのは厳しいと思うが、超えれるように頑張りたい」 父はヤクルトなどで通算79試合に登板した充氏(49)。東京・狛江市出身で、幼い頃から神宮球場に通いつめた。視線の先にいたのは通算2133安打を記録し、遊撃、三塁でゴールデングラブ賞に10度輝いた宮本氏。コーチと選手の間柄だった東練馬リトルシニア時代、「キャッチボールを一番大事にしろ」と心構えを伝授された。代名詞でもある背番号6をつけてプレーする姿は今でも脳裏に焼き付く。「自分はまだそんな立場ではないが、最終的には背番号6をつけたい」と決意は十分だ。 厳しい世界だと知っているからこそ、父からは当初は高卒プロ入りに反対された。それでも「いち早く上の世界でやりたい」とプロ志望届を提出。ドラフト会議後には「相談したいことがあったら何でも言ってくれ」と激励されたという。「(通算6年で引退した)父よりも長くプレーできるように」と恩返しを誓った。 高校通算21本塁打を誇る長打力と、広角に鋭い打球を飛ばす打撃が売りの遊撃手。今夏の群馬大会では打率・435(23打数10安打)、2本塁打、6打点。リードオフマンとして、2015年以来、9年ぶり4度目の夏の甲子園出場に貢献した。 次はプロの舞台で躍動する。将来の目標として2000安打達成を掲げた。「ファンから愛される選手になりたい。ヤクルトで20年間しっかりプレーをしていきたい」。燕党の記憶に「田中陽翔」の名前を残す活躍を見せる。(児嶋基)