「ハリポタ」第1巻の表紙絵、約3億円で落札 関連品で最高額
小説「ハリー・ポッター」第1巻の表紙に使われた水彩画が26日、アメリカでオークションにかけられ、190万ドル(約3億円)で落札された。予想価格の3倍以上で、「ハリー・ポッター」シリーズの関連品として、最高額がついたことになる。 J・K・ローリングさん作「ハリー・ポッターと賢者の石」の初版の表紙に使われたイラストは、シリーズの完結前、2001年に初めてオークションにかけられた。この時は、8万5750ポンド(現為替レートで約1740万円)で落札された。 今回の競売を担当したサザビーズのカリカ・サンズさんは、「この絵は、ハリーと魔法の世界を一番最初に視覚化したもの」ものだと説明した。 イラスト原画は当初、40万~60万ドルで落札されると予想されていた。サザビーズによると、ハリー・ポッター関連品として過去最高の予想額だった。 入札は約10分で終わった。落札者の身元は明らかにされていない。 ウェールズ出身の画家トーマス・テイラーさんは1997年、子供たちを魔法学校ホグワーツへと連れていくホグワーツ特急の前に立つ、ハリー・ポッターの姿を描いた。 当時23歳さんだったテイラーさんは、輪郭に黒い鉛筆を、彩色に濃縮した水彩絵の具を使った。完成までに2日かかったという。 テイラーさんは、ハリー・ポッター第1作の原稿を世界で最も早く読んだ一人だった。シリーズはその後、世界中で大ヒットし、何百万部も売られ、今では映画シリーズやテーマパークなどを含む一大産業となっている。 サンズさんは、シリーズ全7作のうちまだ4作までしか出版されていなかった2001年当時と、現在との落札額がこれほど異なるのは、ローリングさん作の作品世界の人気のすごさを表していると話す。 「この数十年間の変化には、目を見張るものがある。ハリーの物語が完結しただけでなく、ハリー・ポッター関連の作品や商品は発展し続けている。そしてこの間に、次々と新しい世代がハリーと彼の物語を楽しむようになっている。目覚ましいことだ」 (英語記事 Artwork now most valuable Harry Potter item ever sold)
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