20年で150万円→1200万円と8倍に なぜ!? 金が歴史的高騰 【WBS】
株価が乱高下する中、注目されているのが金です。金1kgの大きさは、縦11cm、横5cm、厚さ1cmとスマートフォンより一回り小さいくらいです。この金1kgが20年前、2004年にはおよそ150万円でした。為替変動の影響はあるものの、現在はその8倍、1200万円あまりにまで高騰しています。いったい、なぜなのでしょうか。 巨大な金の龍が入口に鎮座するのは、埼玉にある「八木橋百貨店」で開かれた「大黄金展」。純金でできた「カブト虫」(144万1000円)や「熊手飾り」(418万円)、有名な職人の作った「脇差拵」(7568万円)など金製品の数々が並びます。 「初めて金を買う客も多くいる。2~3割ほどは増えている」(大黄金展を主催する「SGC」の相木淳さん) 安全資産、有事の金などと言われ、リスク回避の局面で買われやすい金。株価の乱高下もあり、客は増えているといいます。この日も100万円を超えるネックレスなどの高額商品が売れていきます。 去年、孫に金のメダルをプレゼントしたという女性は「いくらくらいだったろう。去年は150万円くらい? 今は同じ商品が200万円以上だから驚いた」と話します。別の客は「株価も乱高下しているので、金を持っておくのが安心かなと。今は金のつまようじですら11万円するので少し躊躇する」と話すなど、客の多くが金の資産性に期待を寄せていました。
金の国際価格は右肩上がりに上昇しています。国際指標となるニューヨークの金の先物価格は今月1トロイオンス2500ドルを突破し、最高値を更新しました。 価格高騰の背景について「豊島&アソシエイツ」の豊島逸夫代表は「中東の地政学的リスクに現在進行形で反応している。金を持っていれば戦争があっても希少価値は一切変わらないので、有事の金という言葉が生まれて、世界を大きく揺るがすようなことがあると金が買われるという状況になっている」と話します。 さらに豊島代表は「金はアメリカの金利が高ければ価格が下がる。逆に金利が低くなれば買われる。FRBのパウエル議長が9月の利下げについて徐々に言及をしていることが、金市場のもう一つの追い風になっている」と指摘。金価格が今後さらに上昇するとの見通しを示しました。 「ずばり2700ドルが私の上値予想。まだ年内は上昇が続く」(豊島代表) ※ワールドビジネスサテライト