初戦大勝のドイツが抱える不安要素 好不調の波が激しい切り札サネ
次戦は堅守の難敵と対戦
スコットランドとのEURO2024のグループステージ初戦に5-1で快勝した開催国ドイツは、19日(現地時間)にハンガリーとの第2戦に臨む。 初戦での勝利で得た勢いに乗ってグループステージ2勝目を狙いたいドイツだが、リヴァプールのMFドミニク・ショボスライが主将を務めるハンガリーは伝統的に守備の固いチームであり、一筋縄ではいかない難敵だ。実際、過去の対戦成績は13勝13敗13分けと全くの互角。さらに、ドイツは直近4回の対戦で2敗2分けとハンガリー相手に勝てていない。 ハンガリーとの試合はスコットランド戦とは違ってロースコアの拮抗した試合展開になる可能性が高く、そのため彼らの堅守を崩すためには先発メンバーだけでなく、攻め手を変えることのできるジョーカーの活躍が欠かせない。 本来であれば、先発メンバーのMFフロリアン・ヴィルツやMFジャマル・ムシアラとはタイプの違うMFレロイ・サネにその切り札としての役割を期待したいところだが、同選手は63分から途中交代で出場したスコットランド戦ではカウンターからのチャンスの場面で決め切れないなど精彩を欠いた。 スコットランド戦後、好不調の波が大きいという以前からの批判が再燃し、ジョーカーとしてのサネの存在に疑問を投げかける論調もドイツメディアでは散見されている。ドイツ代表のOBで現在は解説者を務めているマルクス・バッベル氏もサネのパフォーマンスに不満を持っている一人だ。 「ある特定の選手について、『今日は彼の好調な日であってくれ!』と祈らないといけないというのは、本当に状況を難しくする。サネは、いつもパフォーマンスがワールドクラスか草サッカーレベルかのどちらかに偏ってしまう。私の目から見れば、ワールドクラスである時は滅多にないがね」(ドイツ紙『Bild』より) ハンガリー戦は、チームにとっては決勝トーナメント進出のため、サネ個人にとっては自身への批判を覆すために負けられない重要な一戦となりそうだ。
構成/ザ・ワールド編集部