元阪神・北條史也選手の現在地 38年ぶり日本一の裏で『戦力外』そして舞台は社会人野球へ「プロじゃなくても頑張っている姿を見せたい」
元阪神タイガースの北條史也選手。去年、阪神を戦力外となり、今は兵庫県が本拠地の社会人野球チームに所属しています。環境も戦い方も違う新天地での挑戦に密着しました。 【写真で見る】甲子園では清原和博さんと並ぶ歴代トップ・通算29打点をマーク『北條史也選手のこれまで』
「歓喜の輪に入れず悔しさとむなしさ」去年秋に戦力外 新天地は社会人野球
去年、18年ぶりのリーグ優勝、さらに38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース。その栄光の裏で、こう話す人がいます。 「11年ぐらいいて、その1回の優勝に参加できなかったというか、(歓喜)のなかに入れなかったので、悔しい気持ちとむなしさがありました」 元阪神タイガース、北條史也選手(30)です。去年、11年間プレーしたプロの世界を後にしました。 (北條史也選手)「終わってみれば、あっという間でした。いろんな経験をさせてもらった11年間かなと思います。野球は好きですね。好きですけど、ケガとかいろいろあったから、悩みました」 新天地は社会人野球。今年1月から、兵庫県が本拠地の三菱重工West硬式野球部に所属しています。 北條選手は大阪府堺市出身。幼いころから野球で頭角を現します。高校は青森の強豪・光星学院(現・八戸学院光星)に進学。甲子園ではチームの主力として3季連続の準優勝に貢献し、清原和博さん(PL学園)と並ぶ甲子園歴代トップ・通算29打点をマークしました。 2012年ドラフト2位で阪神に入団すると、4年目の2016年には勝負強いバッティングを買われレギュラーをつかみ取ります。しかし、度重なるケガなどで出場機会が徐々に減り、去年秋、戦力外になりました。 (北條史也選手)「球団に残るか、(オファーの来た)社会人野球に行くかで最後は迷っていましたけど、野球を辞めていった人に話を聞いてもらったときは、続ける場所と体力があればやった方がいいって言われたので、後悔しない方を選びました」
「大ファン」「北條さんの打ち方をマネしていた」チームメイトは喜び
プロの世界で活躍した有名選手の加入に、チームメイトは喜びを隠しきれなかったといいます。 (三菱重工West硬式野球部 中山将太主将(27))「北條さんが高校生のときから知っていたので、大ファンで。最初は信じられなかったんですけど、最近は楽しくやらせてもらっています」 (三菱重工West硬式野球部 竹田祐投手(25))「自分らの世代は憧れている人が多いと思います。中学生の頃、北條さんを見て打ち方をマネしていました」 プロ生活で培ったすべてをチームメイトに惜しみなく伝えます。 (三菱重工West硬式野球部 湯口郁実副主将(25))「人一倍アップとかトレーニングに対して真摯に取り組んでいる姿を見て、北條さんの背中を見て、すごくいい刺激をもらっているなと。チームにとってもいい雰囲気でできているんじゃないかなと思います」