『光る君へ』ロスに総集編が12月29日に放送!脚本家・大石静と監督が明かすドラマの誕生秘話、月のシーンに込めた驚きのこだわりとは
雅な平安絵巻で1年にわたって私たちを楽しませてくれた大河ドラマ『光る君へ』が、12月15日、ついに最終回を迎えました。深刻な『光る君へ』ロスに陥っている人もいるはず。このドラマをきっかけに『源氏物語』を再び手に取った人も少なくないと思います。 『光る君へ』ゆかりの地や行事を紹介しつつ、平安文化に関するあれこれを綴ってきたこの連載も、いよいよラスト。締めくくりとして、『光る君へ』のスタッフやキャストが集合したファン垂涎のイベント「最終回パブリックビューイング&スペシャルトークショーin京都」の様子を前・後篇に分けてレポートします。 まず前篇では、最終回の放送直前に行われた、『光る君へ』の脚本家・大石静さんとチーフ演出・中島由貴さんのトークショーをお届けします。 【写真】月明かりに照らされるまひろと道長 * * * * * * * ◆一人で最終回を見たら、きっと泣いてしまう 会場となった国立京都国際会館のホールには、16000件の応募から選ばれた約1260人が来場。北は東北、南は沖縄・九州から、さらには台湾から駆け付けた人もいたということで、このドラマの人気の高さを見せつけました。 最終回(BS放送)の放送を前に、NHK京都放送局・岩槻里子アナウンサーの司会進行で、まずは大石さんと中島さんの「プレトーク」が行われました。 数々の名作ドラマを生み出してきた大石さんですが、視聴者の方々と、こんな形で最終回を見届けるのは「人生初の体験」。「家で一人で最終回を見たら、きっと泣いてしまう。みなさんと一緒でよかった」と、最終回を迎える寂しさを語りました。
◆「平安時代の大河なんて、誰が観るの?!」 最終回のパブリックビューイングが京都で開かれたのは、この地がドラマの舞台だったからにほかなりません。京都に住む私たちも、特別な想いで、1年間ドラマを見守ってきたように思います。 では、なぜ、平安時代の京都を描く大河ドラマが生まれたのでしょうか。 中島さんによると、大河ドラマの定番である戦国や幕末ものではなく、女性が主人公の美しい平安絵巻をやれないか、との思いから、テーマを模索。『源氏物語』も検討したものの、「やっぱり紫式部でいこう」という結論に落ち着いたそうです。 そこで大石さんに脚本を依頼したのですが、紫式部が主人公だと聞いた大石さんの反応は……。 「最初にお話をいただいたときは、『平安時代なんて誰が観るの?』と思ったんです(笑)。でも、中島さんは、私にオファーしてくださる1年くらい前から(紫式部について)勉強をされていて、『これは絶対にいける!』と確信しておられた。だから中島さんについていこうという気になったんです。とはいえ、イチかバチかの賭けですし、正直、ほんとうに不安でした」
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