ロシア軍、捕虜にしたウクライナのドローン操縦士9人を処刑
ウクライナ側から報復を受けるのは必至とみられる
米首都ワシントンにあるシンクタンク、戦争研究所(ISW)は「各地の戦線でロシア軍がウクライナ人捕虜を虐待する傾向が認められる。こうした虐待はロシア軍の個々の指揮官が是認はせずとも可能にしていて、野戦指揮官も処罰していないようだ」と指摘している。 部下によるウクライナ人捕虜の殺害を黙認しているらしいロシア軍指揮官たちが道徳的に退廃しているのは疑う余地がないが、それはひとまず置くとして、こうした処刑がロシア軍に跳ね返ってくるのはほぼ確実だ。戦争中に一方が投降兵を処刑すれば、他方による報復を招くことは歴史が教えている。 数多くの事例からひとつだけ挙げよう。第二次世界大戦末期の1944年12月、西部戦線のバルジの戦いの際に、ベルギーのバストーニュ近郊に進軍していたドイツ軍部隊は米陸軍第101空挺師団の野戦病院を蹂躙した。ドイツ兵らは負傷した米兵が無力な状態でベッドに横たわっているのを見つけ、その多くを喉を切り裂いて殺害した。 この残虐行為を知った米陸軍第327グライダー歩兵連隊は、実行したドイツ軍部隊の居場所を突き止めて逆襲した。2009年の論文で、著者のジャスティン・ハリスは「彼らは捕虜をとらなかった」と書いている。 ロシア軍はウクライナ人捕虜を処刑することで、元々おぞましかった戦争をますますおぞましいものにしている。そして、ロシア軍がいずれ自らの残虐行為の報復を受けることになるのは必至とみていいだろう。
David Axe