「いろんな人とすぐに出会える」婚活ゆえの落とし穴は 「日本一婚活してきた」ライターが語る
300人以上とデートしてみて
恥ずかしながら、筆者はおそらく日本の誰よりも婚活を行ってきた人間ではないかと思っている。 この20年以上で、婚活アプリ、結婚相談所、婚活パーティー、婚活バスツアー、婚活ハイキング、婚活料理教室、婚活座禅などを実践。300人を超える女性と食事やドライブに行き、温泉や海外リゾートにも出かけた。親密になった女性の職業のバリエーションも豊富だ。もっとも多いのは会社員だが、女優、モデル、シンガーソングライター、CA、ドクター、看護師、ナレーター、お茶の先生、銀座のホステス……それなりの関係に至った人数も少なくない。 真剣な交際にはいたらなかったが、メジャー劇団の主演女優やVシネマの主演女優やアナウンサーとも出会えた。そんな現実の悪戦苦闘は『婚活したらすごかった』『57歳で婚活したらすごかった』(どちらも新潮新書)にありのまま書いた。
婚活とは営業である
言いたくはないが、筆者は不細工だ。頭がでかい。手足は短い。身長は160センチ台。頭髪も少なくなった。離婚歴あり。フリーランスのライターなので収入は不安定。しかも、還暦を過ぎた。60代になったら一人で生きるしかないと覚悟していた。しかし、婚活ツールを利用してまだ異性と出会えている(相手の年齢も上がった)。 男性が成果を上げるもっとも重要なポイントは、機会を多く持つことだろう。つまり、たくさんの女性にアプローチする。考え方としては、営業職に近い。分母を増やせば、結果的に分子も増える。 年収3000万円超え、あるいは俳優レベルのイケメンでない限り、1カ月に5人、10人くらいにアプローチをしても、たいがいは全員に断られる。しかし、たとえ自分の容姿が低レベルでも、1カ月に100人以上にアプローチすれば、そのうち何人かは返事をくれる。人の好みはいろいろだ。そして会えれば、なにかが起こるかもしれない。だから対面できたら、押す。ときどき引いてみる。誠意を持ち相手の話を聞く努力を重ねていく。 もちろん細かい努力は必要だ。 男性でも女性でもアプリの自分のプロフィールは具体的に書いたほうがいい、笑顔で清潔感のある服装の写真を掲載することが大切、うそをついてはいけないし、すぐにホテルに誘わない……などは基本的な注意点である。 こんなふうに書くと、でもお前は結婚できていないじゃないか、と突っ込まれそうだ。確かにご指摘のとおり。筆者は結婚できていない。なぜだ?