デカフェコーヒーが体に悪いって本当? 安全な商品の選び方をチェック
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 カフェインを避けたい多くの人から愛されているデカフェコーヒー。しかし、この飲み物の製造過程で一般的に使用されている化学物質が、健康リスクの懸念を引き起こしているという。デカフェコーヒーブランドのなかには、カフェイン除去の過程で、塩化メチレンと呼ばれる化学物質が使用されているものがある。今年2月、がんを引き起こすなどの懸念などから、州内のすべてのコーヒー商品に塩化メチレンの使用を禁止する法案がカリフォルニア州議会に提案された。さらにこの法案の支援団体は、食品や飲料によく含まれる4種類の化学物質(うち一つが塩化メチレン)の排除を求める嘆願書を、米食品医薬品局に送っている。 デカフェコーヒーは、元からカフェインが含まれていないわけではない。コーヒー豆からカフェインを除去するプロセスには、メーカーが使ういくつかの方法が存在する。その一つがヨーロピアンメソッドと呼ばれる方法であり、コーヒー豆を化学溶液(多くの場合、塩化メチレンまたは酢酸エチル)に浸すことでカフェインが除去される。その後、豆はすすいで洗浄されるけれど、化学残留物が残っている恐れがあるという。
塩化メチレンとは
塩化メチレンは、米労働安全衛生管理局により発がん性物質とみなされている。2019年には、米環境保護庁が消費者向けの塗料剥離剤に含まれる塩化メチレンの製造、加工、流通を禁止。さらに2022年、米環境保護庁がこの化学物質の健康への影響を調査した結果、神経毒性、肝臓への影響、がんとの関連性が判明した。そして昨年、すべての消費者向け、および一部の商業商品で、塩化メチレンの使用を禁止する法案が提出された。
塩化メチレンは少量でも危険?
塩化メチレンは、ペイント剥離剤などの商品では禁止される可能性があるけれど、一部の食品ではいまだに使用されている。米食品医薬品局は、デカフェコーヒーに最大10ppm(0.001%)の塩化メチレン残留物が含まれることを許可している。 「10ppmは小さい数値に思えますが、塩化メチレンの蓄積的影響や、体内のどこに蓄積されるのかが懸念されます」と話すのは、サプリブランド「ヌシフィック」の栄養部門責任者であるエイミー・リー博士。 「脂肪に蓄えられるのか、それとも水溶性なのでしょうか。私たちはデカフェコーヒー以外にも、発がん性物質のリスクがあるかもしれない、似たような化学物質を微量に含む食品を摂取しているので、あらゆるものが『添加剤』になりえるのです」