職場にいる「仕事が速くて丁寧な人」と「仕事が速いだけの人」の決定的な違い
● 仕事が速くて丁寧な人の特徴 対して、仕事が速くて丁寧な人は速さとクオリティの両方を意識しながら行動をしています。当たり前のことはありますが、実践するとなると意外とむずかしいものです。 こういった人は、絶対的な考え方を持っているわけではありません。ただ、仕事や仕事相手のタイプに合わせて考え方を変えることができるのです。少しだけ見ていきましょう。 「仕事の速さ」と「クオリティ」はそれぞれ天秤の左右です。どちらにどれだけ傾けるかはその人の考え方次第ですので、絶対的なものがあるわけではありません。仕事によっては速さ重視、相手によってはクオリティ重視などのように、都度判断していけばいいことです。 仕事が速くて丁寧な人はこの感覚がずば抜けています。ときには速さに大きく重きを起き、ときにはクオリティを重視します。その基準は相手がどのタイプか、なにを目的にしている仕事なのかに合わせて変えていくのです。 先ほどお話しした「仕事が速いだけの人」は、この観点がありません。相手がどうこう、仕事がどうこうという話ではなく、速くすればいいのだという自己判断で仕事をしてしまっています。結局仕事は、取引先であれ、同僚であれ、誰かのためにやっているわけですから、「他人の視点」が抜けているのは致命傷なのです。 これは私のいるお笑いの世界でも同じことが起きます。たとえば、「ネタには1つでも多くボケを入れたほうが笑いの総量が増える」と若手に話すと、「ボケを入れることだけ」に執着してしまって、ネタそのもののクオリティが下がってしまうのです。 ですが、大事なのは「ちゃんと作り込まれたボケ」なのであれば、1つでも増やしたほうがいいということであって、なんでもかんでも増やせばいいわけではありません。ですが、多くの若手芸人はこの罠に陥ってしまいます。 大事なのはバランスです。先ほど言った「速さ」と「クオリティ」の天秤をどちらにどのくらい傾けるのか、それを相手や目的に合わせて決めていくことがなによりも重要です。 基本的なことですから、皆さんも十分このことは理解できていると思いますが、基本的であるがゆえに忘れてしまいがちなことでもあります。 ぜひ、頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。
本多正識