眞栄田郷敦「僕に足りてないものって何ですかね」当時の二階堂ふみの返答に今思うこと
俳優・二階堂ふみさんが、写真家として眞栄田郷敦さんを撮った『眞栄田郷敦写真集 A Beautiful Blink』。二階堂さんに「この才能に満ちた青年の写真を撮りたい」と言わしめた郷敦さん。そんな二階堂さんに対して、「現場での姿勢を見て、こういう在り方っていいなと思い、真似している」と語る郷敦さん。同じ俳優部としてリスペクトし合う2人による、まばゆく、エネルギーに満ちた写真集がここに誕生した。 【写真】眞栄田郷敦さん&二階堂ふみさんのおちゃめな2ショット! 撮影に至った経緯や撮影中のエピソードについてうかがったインタビュー前編に続き、後編では過去に二階堂さんからもらったアドバイスの意味、そして仕事との向き合い方の変化などについてお聞きする。
「僕に足りてないものって何ですかね?」
インタビュー前編で、「『プロミス・シンデレラ』で二階堂さんと共演した時は、ものづくりは好きだけど、どう立ち振る舞えばいいのかわからない状態だった」と語っていた郷敦さん。現在はドラマ『366日』に出演中だが、芝居との向き合い方で変わってきた部分はあるのだろうか? 「それはもう常に変わっています。実は一度、ドラマで二階堂さんと共演した際に、『僕に足りてないものって何ですかね? 』と尋ねたことがありました。 二階堂さんの答えは『もうちょっと馬鹿になればいいんじゃない? 』というものだったんですけど、その真の意味と言うか、本当に僕に伝えたかったであろうことが、その時はよくわからなかったんです。 でもそれが最近になって、なんとなくわかってきた気がして。今ちょっと自分の中で、新しいステップに行けているような気がしています」
「どうなるかわからないけどやってみる、ってすごく怖い」
「馬鹿になる」という言葉については、どのように解釈したのだろう? 「もともと僕は物事をロジカルに捉えてしまう人間で、もちろんそれも大事なことなんですが、それがあったうえで1回忘れてみることだったり、開放的になってみたりすることも必要なのかなと。特に今は恋愛ものを撮っているので、より『劇的にならないように』している自分がいます。 『ナチュラルに、ナチュラルに』と自分に言い聞かせながら新しいアプローチをしている最中なので、すっごい怖いんですけどね。どうなるかわからないけどやってみる、ってすごく怖いことじゃないですか。 ロジカルに決め込んで確実にこなすほうが安心ですし、間違いもないのだろうと思います。だけど全体を見た時に、ちょっと力が抜けているくらいのほうがいいものが生まれる気がするんですね。『それが人間だよね』という感じで。 正直、自分でもステップを上がっているのか下がっているのかわかりませんが(笑)、少なくとも今までとは違う場所に行けているのでは、と思っています」