[知ったかぶり]していないですか? 今さら聞けないクルマ用語
■何となく知っているけど説明しにくい!?トルクとパワーの違い
クルマ用語のなかには同じように扱われがちながら、実は意味合いが異なるというものがある。カタログの諸元表などにも記載されている「パワー(出力)」と「トルク」も、そんな用語ではないだろうか。 このふたつの用語は、いずれもエンジンの性能を示す言葉ではあるが、それぞれの違いをわかりやすく説明するとなると案外難しいもの。 まず「トルク」はエンジンが発生する回転力を示すもので、「kgm」という単位で表されることが多い。トルクをわかりやすく説明するのによく用いられる自転車を例にとると、ペダルを踏み込む力がトルクであり、これが大きいほど加速性能が高いといえる。 いっぽうの「パワー」はトルクに回転数をかけたもので、単位には「ps」や「馬力」が用いられる。この値が大きいほどスピードが出やすくなるため、他の条件が同じであれば、クルマの最高速はパワーで決まることになる。 ちなみに1馬力は馬一頭の力……ではなく、75のおもりを1秒間に1m持ち上げる力を示しており、その単位である「ps」は、ドイツ語で馬の力を意味する「Pferdestarke」を略したものだ。 なお、クルマ好きには昔からなじみのある「kgm」や「ps」、「馬力」といった単位は、国内ルールであるJIS表示を基本としているが、最近ではSI(国際単位系)に基づき、パワーを「kW」、トルクを「Nm」と表すことが一般的。自動車メーカー各社のカタログなどでは、両方が併記されていることが多い。 クルマの話をする時には必ず必要となるさまざまな用語。その意味合いをよく知らずに使っているものがもしあるなら、一度きちんと調べておくと、後々恥をかかずにすむかもしれない。