本部長の「隠蔽」訴えた鹿児島県警前部長を起訴 守秘義務違反罪
鹿児島県警の内部文書が漏洩（ろうえい）した事件で、鹿児島地検は21日、県警の前生活安全部長、本田尚志容疑者（60）を国家公務員法違反（守秘義務違反）の罪で起訴し、発表した。 【写真】ライターの小笠原淳さんに送られてきた「闇をあばいてください」と書かれた文書 起訴状などによると、前部長は3月28日ごろ、在任中に作成したストーカー規制法違反事件の捜査経過や被害者の名前などを記した書面を、鹿児島市内から札幌市在住のライター宛てに郵送し、職務上知り得た秘密を漏らしたとされる。 事件を巡っては、前部長が今月5日に鹿児島簡裁で開かれた勾留理由の開示手続きの法廷で、警察官による盗撮事件の捜査指揮を野川明輝本部長に求めた際、「最後のチャンスをやろう」「泳がせよう」と言って着手しなかったと主張。「本部長が隠蔽（いんぺい）しようとしたことがどうしても許せなかった」と、漏洩の動機を語った。 一方、本部長は「隠蔽を意図して指示を出したことは一切ない」と否定。県議会の集中審議では、盗撮事件の捜査の経緯を説明しながら、「前生活安全部長から在任中、指揮うかがいがあった事実は確認されていない」と述べた。（冨田悦央）
朝日新聞社
