アストラゼネカ、中国事業トップを当局が調査-詳細は開示せず
(ブルームバーグ): 英医薬品大手アストラゼネカは30日、同社の中国法人社長であるレオン・ワン氏が中国当局の調査を受けていると発表した。
ワン氏は調査に協力的であり、アストラゼネカも要請があれば「全面協力する」としているが、調査の具体的な内容は明らかにしていない。また、中国事業はマイケル・ライ総経理の指揮の下で継続されるとしている。
アストラゼネカの年次報告書によると、2023年の中国事業収益は59億ドル(約9040億円)で、英国とドイツの合計を上回り、グループ全体の13%を占めた。
9月には複数のアストラゼネカ社員と元社員が中国警察に拘束され、聴取を受けている。アストラゼネカは中国で数十年にわたり事業を展開しているが、中国政府が本土における同社事業に対する監視を強化している可能性が示された。
30日のロンドン株式市場で、アストラゼネカはこの発表を受けて5%余り下落した。
調査を受けているワン氏は、国際部門の執行副社長でもある。地元紙によると、王氏はロシュ・ホールディングで勤務した経験があり、2013年にアストラゼネカに入社した。
中国地元メディアは今月、アストラゼネカのオンコロジー部門で総経理を務めていたエバ・イン氏が当局に拘束されたと報じた。イン氏は2022年1月に別の製薬会社に移った。
ブルームバーグは以前、複数の拘束者を出したアストラゼネカに対する捜査が、同社による患者データの収集と、それが中国のデータプライバシー法に抵触する可能性があるかどうかに関連していると報じた。当局は中国で承認されていない医薬品が輸入された可能性についても捜査していた。
原題:AstraZeneca’s China President Investigated by Authorities (1)(抜粋)
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Ashleigh Furlong