「東大」が「中国人留学生」だらけになっていた 大学院生の「5人に1人が中国人」…周辺には「ガチ中華」もズラリ
飛び交う中国語
アベノミクスの副作用による極端な円安の進行で、日本での生活にかかる経済的負担も減っている。1983年に当時の中曽根康弘首相が提唱した留学生10万人計画以降、日本に留学した中国人の子弟らが親の影響を受けて日本に留学するケースも多いという。その結果、東大周辺には町中華では絶対に見かけない“ガチ中華”の店が激増することになった。 実際に地下鉄丸の内線本郷三丁目駅を降りて本郷通りに沿って東大赤門方向に歩いていくと、通りの両側には中華料理店がズラリと並ぶ。中でも中国人留学生に人気が高いのは「川外川」「美味しい屋」「金太飯店」など。メニューを見ると、土鍋麻婆豆腐、本場四川よだれ鶏、成都名物牛タンとハチノスのスパイス和え、豚足醤油煮、ラム肉のクミン炒め、重慶辣子鶏など本場の料理が並ぶ。 ランチの時間帯に店内に入ると、中国人の若者ばかりという光景は珍しくない。中には真っ赤な唐辛子と鶏肉を炒めた料理を美味しそうに口に運ぶ女子学生の姿も。「唐辛子も食べるのかなと思って観察していたら、さすがに残していたところが面白かったですね。まるで観光で中国を訪れたような錯覚に陥ります」(東大職員)。 それにしても中国人に占拠されてしまったかのような東大キャンパス周辺。教員や日本人学生とのコミュニケーションはうまくとれているのだろうか。 「日本語があまり上手ではない中国人学生もいますが、クラスやゼミには他にも中国人学生がたくさんいますから、孤立しているといった雰囲気はなく、レポートや発表などは中国人学生同士で助け合っていますね。また、教員からすると、実験の準備やゼミ発表の指示を出すと長幼の序に慣れている中国人学生は、嫌な顔をしないでテキパキこなしてくれるので特に年配の教員からの受けはよいです。授業後に提出するリアクションペーパーを見ると、中国人学生はまとまった文章量でしっかりと書いてきますから、日本の若者より真面目といった印象です。しかも、最近は東大内に中国系の教員が増えていますから、中国語だけで授業ができてしまいます」(前出の東大の教員) そんな中国人留学生は大学を卒業あるいは大学院を修了した後も多くが日本に残るという。中国人留学生の進学指導にあたっている予備校講師がこう話す。 「いま中国は不動産バブル崩壊で就職が厳しいですから日本で仕事をする学生が増えています。親も『日本は治安がいいから安心できる』と考えています。また、膨大な数の在日中国人が日本国内に張り巡らせた人脈のネットワークで、中国人経営の貿易会社や部品商社、観光旅行業、飲食店経営、受験・教育事業などありとあらゆる職種を紹介、斡旋しています。日本の大企業に就職した留学生もいますが、『日本の会社は給料が安い』という理由で外資系に転職してしまうケースもよく耳にします。履歴書は東大卒でしかも日本語、中国語、英語を話しますからどこの企業からも引っ張りだこですよ」 東大はすっかり中国の大学の滑り止めになってしまったのか……。 デイリー新潮編集部
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