イケイケ顔にマイチェンした、日本未導入のプジョー新型508SWの魅力
日本のサルーンのパワートレインは1種類のみだったが、本国では豊富にラインアップ
インテリアのデザインはサルーンと同じで、トグルタイプのシフトノブや10インチのタッチスクリーン、すでに熟成の域に入っているi-Cockpit、新しいインフォテインメントシステムである「i-Connect Advanced」が導入されている。 日本で販売されていた508サルーンは、1.6Lガソリン(180hp)+モーターのハイブリッド1種類のみのパワートレインだったが、本国では150hpと180hpのエンジンにモーターを組み合わせたFFのプラグインハイブリッド、そして200hpのエンジンと81kWのフロントモーター、83kWのリアモーターを組み合わせたAWDのプラグインハイブリッド、さらに1.2L 直3ガソリンエンジン、1.5L 直4ディーゼルエンジン、仕向地によっては1.6L 直4ガソリンエンジン(218hp)など豊富なパワートレインが用意されている。 ラゲッジ容量については、サルーンが487~1,537Lであるのに対し、ステーションワゴンは530~1,780L。バンパーの下に足を入れるだけでテールゲートを開けることもでき、ラゲッジ内には12Vソケットのほか、2つのLEDライト、収納用のネットやバンド、フックが装備されており、実用性も申し分ない。
ただ、価格はそれなりに高価。サルーンもあまり売る気がなかった??
508は高級モデルの価格帯であるものの、どちらかというとデザイン重視のモデルであり、ジャーマン3のようなブランド力、商品力を求めるユーザーとは異なるアプローチのモデル。日本ではデザイン重視のモデルは、SUVが人気の中心になるため、フラッグシップとしてサルーンは導入したものの、ステーションワゴンの導入は見送られたのだろう。 また価格も高い。2024年2月のサルーン導入時の販売価格は、税込み750万8000円。もしステーションワゴンが導入されていたとしたらもっと高い価格になっていたはずだ。そのせいか、導入されたサルーンも、ボディカラーはホワイトとブルーの2色、1グレードでパワートレインもひとつとあまり売る気が感じられなかった。それでも数ヶ月でラインアップから外されるのはあまりにも寂しすぎる。販売台数についてはわからないが、やはりあまり売れていなかったのだろう。 ステーションワゴンの人気低迷と電動化の流れを考えると、日本導入はあまり期待できないが、新型508SWは、欧州ワゴン勢の中でも存在感のある一台であることは間違いない。実際に、筆者が住むミラノでは、Dセグメント自体あまり多くはないものの、508SWはちらほら見かける。ぜひ日本でも、ステーションワゴンの美しさが再認識される日がきてほしいと思う。