もしも178万円になったら…「103万円の壁」の引き上げで手取りはどれくらい増えるの?【Nスタ解説】
星浩さん: いずれ乗数効果でどれだけ経済が膨らんでくるかの試算は出てくると思います。しかし、どう見ても(減収幅の)7兆円、8兆円をカバーする額には届きませんので、その分は税収減になることは間違いないですよね。 ■壁が引き上げられたら…どれくらい手取りは増えるのか? 加藤キャスター: では、この壁が引き上げられた場合に手取りは実際どれほどになってくるのか、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんに聞きました。 【壁ギリギリまで働いた場合の手取りは?】(世田谷区在住のパートの主婦の場合) ▼壁が103万円の場合:住民税のみ1万円ほど引かれ、手取りは約102万円。 ▼壁が178万円の場合:住民税に加えて社会保険料などが引かれるので、手取りは約134万円。 所得税はかかりませんが、「社会保険料がかかってくる」ことが一つポイントになります。 ホラン千秋キャスター: これが先ほど星さんがお話されていた、社会保険料との整合性はどうなのかっていう。 星浩さん: 元々の税の壁と社会保険の壁が違うことによって生じます。 ただ社会保険の場合は、月1万数千円の負担になっても、それはいずれ年金として返ってきますから、この段階ではちょっと負担ですが、将来を考えるとプラスの面も出てくる。 ホランキャスター: しかし、明らかなプラスだと実感できるくらいの期間払い続けないと、結局そこまで変わらないのではないかと。例えば一時的にパートをやっている方からすると、「社会保険」「年金」というけど、変わらなくない?と思う方もいるかもしれません。 星浩さん: (年金を受け取れるのが)65歳くらいからなので、「とにかく目先の収入が欲しい」というのは普通の考え方でしょうね。 ■「103万円の壁」は問題の一部に過ぎない?日本の抱える本当の課題とは 井上キャスター: 今回の選挙で玉木代表は一つの論点として「103万円の壁を引き上げる」「手取りを増やす」と、とてもわかりやすかったと思います。 しかし結局、議論をしていろいろ考えると、社会保険料などの他の壁も含めて一体で考えなくてはいけない。日本は仕組みをこんなにややこしくしなければいけなかったんですか。