「すでに名前から個性的すぎ…」倒しても憎めない!名作『MOTHER2』味わい深い敵キャラたち
■イベントで強烈なインパクトを与えた「ゲップー」「マニマニのあくま」
イベントで登場するボスとしてインパクトを与えたのは、なんといっても「ゲップー」だろう。 ストーリーの中盤でゲップーの秘密基地を訪れるが、まずその見た目の気持ち悪さが印象的である。しかも仕掛けてくる攻撃が「臭い息」なのだ。ネスたちを気持ち悪い状態にしてくる攻撃だが、実際にゲップ音をサンプリングした効果音を使っているので、プレイしている子どもたちにも気持ち悪さを与えた難敵である。 そんなゲップーは「はえみつ」というハエが集めた蜜が大好物で、与えると一心不乱に貪り食うのだが、その様子を想像するだけで気持ち悪い。最新のゲームでは表現できないシーンかもしれない。 もう一つストーリー上で印象に残るボスが「マニマニのあくま」である。 このマニマニのあくまは、本作のラスボスのギーグが生み出した幻影マシーンである。ネスたちがフォーサイドという町を探索していると、突如としてフォーサイドの町に似たムーンサイドという異世界に入り込んでしまうのだ。 このムーンサイドは『MOTHER2』をプレイした人の多くが「怖かった」と口にするほど不気味なエリアであり、登場してくる敵も異形なキャラが多かった。 特にインパクトがあったのが、脳みそのような時計のようなよくわからない姿をした敵「うしなわれしきおく」である。もう名前からして怖い。この怖いムーンサイドで出てくる敵は、それまでとは違って変なやつらばっかりなので、早く抜け出したいと思ったプレイヤーは多かったことだろう。 そんなムーンサイドを作り出していたのがこの「マニマニのあくま」であり、倒すことでムーンサイドから脱出できる。ムーンサイドのイベントの怖さもあって、子どもたちに大きな衝撃を与えたボスキャラであった。
■シンプル過ぎる見た目と名前の「あつくもえる てき」
最後に、個人的に印象に残る敵を紹介したい。 冒険も終盤に差し掛かり、地底にあるファイアスプリングというダンジョンで遭遇するザコ敵である。 この敵のインパクトは、出現と同時にボスのBGMが流れることだ。 最初は驚かされるが、出てくるのは「あつくもえる てき」という、見た目も熱く燃えている奴としか説明しようがないザコ敵である。ネーミングは完璧である。 個人的に気になるのは「なぜボスBGMが流れるのか?」というのもあるが「あつくもえる」と「てき」の間にスペースが1つ空いていることである。 「あつくもえるてき」ではなく、「あつくもえる てき」なのである。 そんなに強くはない敵なのだが、このスペースが何なのか30年間ずっと気になってしょうがなく、それが長年印象に残り続けている理由であろう。 今回は筆者の印象に残っている敵キャラを中心に紹介したが、ここで紹介したもの以外にも糸井節に溢れていて、何度もプレイしたくなるのがこの『MOTHER2』である。未プレイの人も一度はプレイして糸井節を味わってほしい。
ふたまん+編集部