プーチン氏が西側威嚇、「戦略部隊は常に臨戦態勢」-戦勝記念で演説
(ブルームバーグ): ロシアのプーチン大統領は9日、モスクワで行われた第2次世界大戦の対ドイツ戦勝記念パレードで演説を行い、ウクライナ侵攻を巡り対立する西側諸国に警告するとともに、核戦力に言及して威嚇した。
今週に入り大統領として通算5期目の就任を宣誓したプーチン氏は「誰もわれわれを脅かすことはできない。われわれの戦略部隊は常に臨戦態勢だ」と言明した。
プーチン氏、5期目の就任宣誓-西側との対話「対等な条件」のみ可能
「赤の広場」で行われたパレードでは9000人の兵士が行進、先進的な防空システムや大陸間核ミサイル発射装置を含む兵器が登場したが、戦車は第2次大戦時の「Tー34」が1台のみだった。
プーチン氏は今週初め、「挑発的」な西側の動きに対抗し、戦術核兵器を使った軍事演習を命じた。フランスはこれまでにウクライナに地上軍部隊を派遣する可能性を示唆しており、英国はウクライナ軍が英国の武器でロシアを攻撃することを容認する姿勢を示している。米国も先月、ウクライナ向けに610億ドル(約9兆5000億円)の支援を成立させた。
米国と欧州連合(EU)が徹底的な対ロ制裁を講じ、ウクライナに多額の経済・軍事援助を提供する中、ロシアと西側の対立は一段と深まっている。
パレードに外国からの要人はほぼ参加せず、プーチン氏の孤立がうかがえた。隣国ベラルーシと中央アジア4カ国の大統領を除けば、パレードに出席したのはキューバ、ギニアビサウ、ラオスの首脳だけだった。
原題:Putin Renews Nuclear Threats Against West at Military Parade (1)(抜粋)
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Henry Meyer