「バナナの食べ方ひとつ」で“疲れた脳”は回復する 普段の動作を「ゆっくり」にすると、人間関係も変わる
「先延ばし」は多くの人にとって悩みの種です。 「とにかく1分だけやる」「作業をできるだけ小さく分けてやる」「ご褒美を用意する」 「先延ばし」を克服する本や、コツは世の中にあふれていますが、そのコツさえ実行するのを先延ばしにしてしまう! そんな方が多いのではないでしょうか。 そんな「ずぼら」だけど、変わろうとしている「マジメ」な人のために、禅という新たな視点から行動する技術をまとめたのが新刊『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』です。 【イラストでわかる】人間関係をよくするマインドフルネス
著者である禅僧・精神科医の川野泰周氏と経営コンサルタントの恩田勲氏によると、マインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけではなく、「心を勢いづける」モメンタムの要素も多く含まれていると言います。 「締め切り前のレポート執筆」「転職」「結婚」など、心に勢いがあるとき、人は超行動的になります。そんな「心の勢い=モメンタム」を意図的に作り出す方法を紹介いたします。 以下では、「自慈心」について解説します。
■マインドフルネスで人間関係まで改善する 「瞑想をするようになって、人間関係が改善した」 「人と衝突することが少なくなった」 そんな声まで、よく聞きます。ここまで挙げてきたように、瞑想の効果はさまざまです。 集中力を取り戻し、創造力を高め、仕事力がアップする。 要するに、すぐ行動できる準備が整う。 これがどうして、人間関係を改善するのでしょうか? ここには「自慈心(じじしん)」が関わっています。
自慈心とは、マインドフルネスによって養われる 「ありのままの自分を肯定し、慈しむ」 という心のありようで、欧米では「セルフ・コンパッション」と呼ばれます。 近年では心理学的な研究も進められ、セルフ・コンパッションが高い人はさまざまな疾病のリスクが低いこと、そして「幸せである」という感覚が増大することが明らかになっています。 自慈心を理解するため、もう一度、瞑想についておさらいしましょう。 ■集中するだけが瞑想ではない