いみずサクラマス、今季も無事養殖 堀岡漁協、地震で配管破損
昨年の能登半島地震でいけすに海水を送る配管が損傷するなどの被害を受けた、射水市海竜町の堀岡養殖漁業協同組合で、ブランド魚「いみずサクラマス」1万3千匹の養殖が今季も無事にスタートした。近大水産研究所などの協力を受け、修復が間に合った。例年通り3月中旬~6月に水揚げできる予定で、関係者が胸をなで下ろしている。 いみずサクラマスは栄養が豊富で清浄性が高い富山湾の海水を用い、成魚に育てる。桜色の上質な軟らかい肉質に、芳醇(ほうじゅん)な脂と上品な香り、淡泊なうまみと甘みが特長とされる。道の駅カモンパーク新湊で販売されたり、地元の飲食店で提供されたりし、人気を集めている。 地震では施設の敷地に亀裂が入り、海水や酸素を陸上のいけすに送る配管が壊れた。完全復旧の見通しが立たない中、一時は今季の養殖が危ぶまれたが、隣接する近大水産研究所富山実験場の配管をつなげる応急措置を行うなどし、乗り切った。 堀岡養殖漁協は昨年11月、長野県からサクラマスの稚魚を取り寄せ、いったん陸上のいけすで海水に慣れさせた後、12月下旬にかけて海上の養殖場へ稚魚を移した。養殖チームリーダーの酒井克典さん(24)は応急措置の後も酸素や海水をしっかり送りこめるか心配だったという。 稚魚は、すくすくと育ち、現在は300~400グラム程度に成長。酒井さんは「多くの支えがあって今年の養殖がある。今シーズンも例年以上のサイズに仕上がったサクラマスを届けていきたい」と笑顔を見せた。