【カスタム車紹介】K-2プロジェクト ZX-11(カワサキ ZX-11)フラッグシップらしさに充実の軽快さと操作性を追加
パーツ選択も車両構成も望むスポーツ走行に振っていく
ブラックをベースにエッジの効いたホワイトやゴールドのラインが入るC型ZX-11。K-2プロジェクトが手がけたと聞けば、フラッグシップモデルを軽量化したり快適性の向上に振ってまとめたのだろうと思える。だが、この車両は少し違った。 【写真はこちら】K-2プロジェクトがカスタムしたZX-11の全体・各部(11枚) 「元はC3純正ブラックカラーで、オーナーさんはキャブレターセッティングで困っておられて来店されました。それを仕上げたところ喜ばれて“エンジンに手を入れると走りは変わりますか?”と聞かれ、エンジンに手を付けました。2mmオーバーサイズの鍛造ピストンを使い、ヘッド面研やハイカム組み込み、バルブ一新。ポートもストレート化してクランクも芯出し&メタル交換もしました」 K-2・北村さんの言う作業内容はオーバーホール+スープアップに精密組み立てを加えたような形で、オーナーからも走りが楽しくなったと評価を受けた。その主なステージはスポーツ走行だった。そこでここから、もっと楽しさを増したいと足まわりに手が及ぶ。 前後サスにスイングアーム、ブレーキ。より軽くとホイールも換わる。そして気に入り度も深まっていく。こう記していくと冒頭の“違い”とは何か? と思うだろう。それは、ステージに合わせたセットアップだった。“もっと良くしたい”を叶えるため、バンク角不足が起きないようにトップブリッジを逆ガル形状で製作し、車高を上げる。普段使いでも困らないようにサイドスタンドは延長しておく。こうしてツクバ・コース2000でも楽しく走れる仕様になって、オーナーと北村さん、YFデザインとで相談しながらフルペイントを施した。 いつも通りに、オーナーさんがバイクに乗って思う次のポイントの相談を解決しているだけですよと北村さんは続けるが、それをお客さんの使いたいパーツを使いながら実現した点、使い方に合わせる点はいつも以上に注目したくなる。 フラッグシップの秘めた一面を引き出す手法によるパッケージ、十分納得いくし、楽しそうで参考になるのだ。
ヘリテイジ&レジェンズ編集部