根尾に田尾に近藤真一に!竜のドラフト史に刻まれた"その瞬間"の記憶
ドラフト最重視の星野監督
ドラゴンズだけでも、他にもまだまだ沢山のドラマがあり、コラムのページがいくらあっても書き足りない。そんな記憶が12球団それぞれにある、それがドラフト会議。そこには、プロ野球を志す選手たちの人生があり、それぞれの喜怒哀楽がある。 近藤投手や立浪選手を獲得した星野監督は「ドラフトこそチーム強化の最も重要な場所」と位置づけていた。スカウトと練りに練って、時にはぶつかりながらも指名した数多くの選手たちは、その後のドラゴンズの根幹となって、チームを盛り立てた。
井上新監督の初ドラフト
2024年(令和6年)、井上一樹新監督を迎えたドラゴンズ、ドラフト会議が近づいてきた。狙いはピッチャー、特に「即戦力投手」と見られる。さらに上位指名ではキャッチャーもほしい。しかし、何より、球団として長期的な視野と将来計画を持った選手指名をしてほしい。 ここ数年のドラフトは、例えば、大学卒の外野手ばかりを3人指名したこともあった。即戦力を期待して、大学や社会人の内野手を2年連続で大量に指名したこともあった。明らかにバランスを欠いている。その結果、高校卒の投手や野手の数は少なくなった。 監督は時に目先の勝利を優先しがちである。その意向を汲みながらも、10年先、15年先のチーム構成を考えることこそ、球団フロントに求められる。3年連続の最下位という、球団の歴史でも最悪の今だからこそ、ドラゴンズには他の11球団以上の緻密なドラフト戦略が望まれる。 ドラフト会議は、新戦力の獲得と共に、チームの勢いを世間にアピールする場でもある。1位指名で競合となった場合は、くじを引くであろう井上新監督には、是非、星野そして与田それぞれの先輩監督同様の、力強いガッツポーズを期待したい。 【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】 ※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が"ファン目線"で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。
CBCテレビ