【阪神】藤川監督、阪神OB監督と“ダブル開幕戦”「いいチームをつくらなければなと思います」
これも野球の神様のお導き!? セ・リーグの来季日程が6日に発表され、阪神藤川球児監督(44)はシーズン、交流戦ともタテジマOBの先輩監督と初戦で戦うことが決まった。3月28日のリーグ戦開幕は08年の北京五輪でも一緒に戦った新井貴浩監督(47)率いる広島(マツダスタジアム)。6月3日の交流戦開幕は憧れの新庄剛志監督(52)が率いる日本ハム(エスコンフィールド)に決まった。どちらも優勝争いを左右する大事な初戦。阪神OB対決を制して波に乗る。 ◇ ◇ ◇ 藤川監督の「開幕」の相手に、ゆかりある阪神OB監督の顔が並んだ。「監督としての、僕より先輩になりますから」。まずは3月28日。シーズン開幕戦は、08年から5年間ともにプレーした新井監督率いる広島と敵地で対戦する。08年の北京五輪では一緒に日の丸も背負った間柄。現役時代の最後も阪神と広島でしのぎを削ったが、今度は監督同士で相まみえる。 「(今年は)やっぱり投手力が高かった。新井監督は、野手を指名したんですよね。どこに重点を置いているかは、ドラフトを見ても分かるところもある」 野球評論家として見てきた赤いライバルに警戒心を隠さなかった。先発陣は大瀬良、森下、床田、九里ら豊富な陣容。課題の得点力アップへ、今ドラフトではドラフト1位で右のスラッガー青学大・佐々木泰内野手(21=県岐阜商)ら野手2人を指名した。今季は12勝12敗1分けの五分だったが9月まで首位に立ち、強敵になることは間違いない。開幕ダッシュの成否は優勝争いに直結する大きなポイント。しかも敵地で戦う。表情は引き締まった。 初夏の頃には、かっこいい先輩との再会が待つ。6月3日の交流戦開幕は敵地日本ハム戦。率いるのは99年から2年間一緒にプレーした新庄監督だ。「若々しくて勢いのあるチームだし。北海道ですかね。その日を楽しんでいただけるように、いいチームをつくらなければなと思いますね」。 98年ドラフト1位で入団した当時、新庄監督はすでに虎のスターだった。「新庄さんも肩が強くて、僕を見て『肩が強いね』って。『すごくいい1位が入ってきたね』って周りに言ってくれているのも聞きました」。01年に日本人野手初の大リーガーとなった姿に「すごくかっこよかった」とあこがれた。今も連絡を取り合う間柄。今年のドラフト会議で顔を合わせた時には「来年、日本シリーズで」と声をかけられた。感謝の尽きない先輩にまずは交流戦の勝利で恩返しする。 この日は高知秋季キャンプ初めての休日。「休みが少ない業種ですから。少しでも気が休まれば」とゴルフコンペを主催した。つかの間のリフレッシュ。再び指揮官の顔に戻り、注目の“ダブル開幕戦”へチーム作りに励む。【磯綾乃】 ◆藤川監督と新庄監督 藤川がプロ入りした99年から2年間、阪神でチームメートだった。00年3月31日の開幕横浜戦(横浜)で新庄は4番打者、プロ初登板の藤川は2番手で、初めて同じ試合に出場した。その後藤川は、メジャーを経て日本ハムに移籍した新庄と05年6月11日の交流戦(甲子園)で唯一の対決。空振り三振に仕留めた。 ◆藤川監督と新井監督 08年から12年までの5年間、阪神で同僚となった。同年はともに北京五輪に出場。11年には藤川が最多セーブ、新井が打点王。なおこの5年間に藤川がセーブを挙げた156試合で、新井は打者別最多のV打点24を挙げた。なお藤川と、広島時代の新井との対戦成績は、被打率3割3分3厘、0本塁打、3打点だった。