山梨県の中央道・笹子トンネルの天井板崩落事故から今月2日で12年です。慰霊式で事故に遭遇した人や遺族がそれぞれの思いを語りました。 事故に遭った後藤喜男さん 「私は平らになっている天井から何かが落ちてくるのだと気が付きました。早く通過してしまおう、そう思ってアクセルを踏む足の指に力を入れた次の瞬間、想像を超えた衝撃が自分の車と体を襲いました」 　2012年12月2日、山梨県の中央道・笹子トンネルで天井板が崩落して車3台が下敷きになり、男女9人が死亡しました。 　事故から12年が経った今月2日、現場近くで慰霊式が開かれ、事故が起きた午前8時3分に合わせて祈りが捧げられ、遺族らが花を手向けました。 長男・重之さんを亡くした森和之さん 「重之が生きて生活をして過ごしていたらどうだっただろうなと、そればかり思う」 娘を亡くした石川信一さん 「親としたら、何年経とうと、やはり苦しさ悔しさ無念さ、そういう気持ちは追悼式のたびにふつふつとよみがえってくるので、この思いは年々、強くなる気がします」 　ネクスコ中日本の縄田正社長は「尊い命、かけがえのない人生を奪うというあってはならない事故を起こしてしまった」と遺族らに謝罪しました。 　また、社員の約4割が事故の後に入社しているとして、事故の記憶と教訓を風化させることなく、安全を最優先にした人材育成をしていくなどと述べました。