アルミ協会の会員向けアンケート「コスト高止まり、4割が転嫁進まず」
日本アルミニウム協会は、会員企業に対して実施した「アルミ製造に係るコスト・価格転嫁の状況に関するアンケート」の調査結果を27日に公表した。2023年は基準点(21年9月)との比較では依然として高止まりをしている結果がまとまった。昨年比では和らいでいる項目も多かったが、しかし4割の企業がコスト上昇分の価格転嫁遅れを示すなど、厳しい経営環境が浮き彫りとなった。 同アンケートはアルミ業界の実態を調査するために公正取引委員会のサポートを得て昨年11月に実施しており、今回は1年ぶり2度目。昨年のアンケート後の諸物価の変化や価格転嫁の進展を共有し、経営改善や賃上げ支援を目的にしている。 調査対象企業はアルミ協会の地金部門、圧延・押出部門、加工・組立部門、鋳鍛造部門に属する77社で57社が回答した(回答率75・0%)。 調査内容はアルミ製造にかかわる『コスト』について(1)原燃料(2)物流・梱包(3)副原料(4)部品(5)労務費の5項目と『コストアップの転嫁状況』。21年9月を基準(数値=100)として23年7~9月の変化を数値化した。 原燃料(石油・重油・灯油・電気・LNGなど)コストは「132・5」で21年9月比ではいまだ3割以上の上昇だった。ただ昨年の「148・0」よりは下落した。物流・梱包は「111・3」(22年は118・5)、副原料はシリコン、亜鉛、銅の値上がりで「124・0」(同135・5)、部品が「119・1」(同120・7)。労務費は「105・8」(同105・2)で昨年よりも上昇。中小企業に比べて大企業の労務費増加が顕著だった。 価格への転嫁状況は4割近い企業が「あまり・ほとんど転嫁できていない」と回答した。