景勝地に短歌、俳句、川柳作品を建立 「文学のしるべ」50年の活動に幕/京都府福知山市
公益社団法人福知山市文化協会(前田竹司会長)と市は10日、京都府福知山市中ノの御霊神社に、短歌、俳句、川柳を木板に書いた「文学のしるべ」を3基建てた。1975年に始まり、今年で50回の節目を迎えたが、市民の文化活動の輪を広げる目的を一定達成したとして、今回で終えることになった。 文学のしるべは、福知山十景が選定されたのを機に、十景の一つである三段池公園(猪崎)に建てたのが始まり。これまで同公園のほか、長安寺(奥野部)や洞玄寺(石原)、観音寺(観音寺)、福知山城(内記一丁目)など市内の景勝地に取り付けてきた。 しるべに記す短歌、俳句、川柳は建立場所やその周辺にちなんだ作品を募集し、同協会加盟の丹波歌人社、福知山市俳句連盟、福知山市民川柳同好会の選者が各1点を選定して決める。 市の文化振興を目的として広く市民に応募を呼びかけ、一定の成果が上がってきたため、今回で建立は最後にする。 今年は短歌に8人から23首、俳句には13人から39句、川柳に10人から27句が寄せられた。選定の結果、短歌は樋口やよいさん、俳句は水巻令子さん、川柳は長田和子さんの作品がしるべに記された。 御霊神社への建立は7回目。10日には作者や選者ら約10人が出席。建てられたしるべに記された作品を味わっていた。 このあと駅前町の市民交流プラザで合評会が開かれ、作者が作品に込めた思いなどを語り、選者が作品の講評をした。 11年前から短歌づくりに取り組んでいる樋口さんは2回目の建立で、同神社に祭られている戦国武将の明智光秀を思う歌にした。「建立が今回で最後となるのは残念ですが、作品が選ばれとても光栄です。多くの人に見てもらい、平和を願った光秀公に思いをはせてもらえればうれしい」と話していた。
御霊神社の文学のしるべに選ばれた作品は次の通り。 【短歌】光秀の御霊眠れるごりょうさんお頼みしますいついつまでも(樋口やよい) 【俳句】光秀をたたへ丹波の踊り笠(水巻令子) 【川柳】水色桔梗咲いて御霊に踊りの輪(長田和子)