ソムリエがマンションの管理人で地下にはワインカーヴ⁉︎「ワインアパートメント」が誕生したワケ
・ソムリエが勤務できる共用エリアがない →ソムリエとLINEでつながってサービスを受けられるように。 ・地下ワインカーヴのようなスペースがない →空室になった部屋から室内にワインセラーを置こう。 →入居時からワインセラーに12種類のワインが備え付けられているように。 ・ルームデリバリーできるレストランがない →ソムリエが入居者のためにセレクトしたワインを毎月1本デリバリー。 さらに、週に1回の水回り清掃サービスも付与した。これは、キッチン・洗面台・バスルーム・トイレの水回りの清掃サービスで、社内のメンテナンス事業部と協働で清掃員を派遣する。 ほかには、センティング・デザイナーとして室内にオリジナルでブレンドしたエッセンシャルオイル(天然由来100%の精油)を備え付け、まるで季節に応じてファッションコーデを変えるように、年に2回(春夏/秋冬)と香りを変えて届けるサービスだ。
その中で水回りの清掃サービスは、この物件特有の入居者の属性をイメージして企画された。住む方がクリエイターやアーティストなど、SOHO(住居兼事務所)として利用されている方が多く、定期的に清掃サービスが入ると喜ばれるであろうという需要を見込んだからだ。 「併せて建物の管理をするにあたって、定期的に室内に清掃スタッフが入ることによって室内のキレイさを維持することができ、入居者との接点も作ることができます。これは前述のワインアパートメントでもありましたが、円滑なコミュニケーションはマンションの維持管理にとても重要な要素となります」。
最後に「中古賃貸マンションをバリューアップさせる意義」について
昨今ではSDGsの観点から「持続可能な開発」として、住み続けられる街づくりを企業の責務として目指していく必要があると垣田さんは語る。 「私は今までの経験からマンションの管理の在り方はこれらSDGsの意味するものにあると思います。東京都心部ではスクラップ&ビルドで新しい開発が乱立しています。もちろん、防災やいろいろな観点から必要なことでもあると思います。しかしながら、企業の利益のためだけにそれを推し進めるのは、はたして持続可能な街づくりに準じているのだろうか?と考えてしまいます。 さまざまなサービスを考え、付与して入居者とともにマンションを作り上げていくことがこれからはとても重要なことではないかと思いますし、既存の中古マンションを少しでも長く価値あるものにするために、管理の在り方を今一度見つめ直していくことが大切だと考えています」。 ウェイヴズ株式会社 / クリエイティブディレクター 垣田智則●JSA認定ソムリエ資格、宅地建物取引士 / ファイナンシャルプランナー。インテリア業界からキャリアスタートし、ソムリエへと転身。都内のレストランで勤務後、ワインアパートメント事業に参画。現在ではグループ企業全体のブランディングを担いながら、2024年、センティングデザイナーとしての活動もスタート。多様なコンテンツで不動産企画・開発事業を展開する
OCEANS編集部