中島裕翔“大輔”が真顔になる一言「所詮、偽物は偽物」 第9話レビュー<SUITS/スーツ>
誰にも言えない秘密を隠し通して過ごすことは難しい。経歴を詐称して弁護士をやっている男の心中は穏やかではないだろう。2024年4月からのFODでは、人気のフジテレビドラマを毎月5作品分、FOD・TVerにて毎日無料公開する「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」を開催中。2018年10月期に“月9”枠で放送されたドラマ「SUITS/スーツ」第9話では、“無資格”会計士の解雇劇が描かれた。(以下、ネタバレが含まれます) 【写真】コロナ禍に行われた「SUIT/スーツ2」の会見で熱く語る織田裕二 ■甲斐がいよいよシニアパートナーに昇格 「SUITS/スーツ」はアメリカのメガヒットドラマ「SUITS」を原作に、勝利のためには手段を選ばない弁護士・甲斐正午(織田裕二)と驚異の記憶力を持つ天才フリーター・鈴木大輔(中島裕翔)が、さまざまな訴訟を解決へ導く痛快エンターテインメント。第1話(6月6日木まで無料公開中)ほか、期間限定で無料公開中の放送回があり、今からでも十分楽しめるだろう。 第9話は、甲斐が“幸村・上杉法律事務所”の経営にも参画するシニアパートナーへと昇格し、お披露目パーティーが行われる華やかなシーンから始まる。幸村チカ(鈴木保奈美)は“YURI綜合会計事務所”所長の華村百合(石田ひかり)と、同事務所のエース会計士・大河原忠(西村まさ彦)を甲斐に紹介する。百合の事務所は“幸村・上杉法律事務所”の顧問会計事務所であり、クライアントでもあった。百合は、チカと甲斐に、大河原を解雇したいから助けてほしい、と頼む。 ■大輔が無資格の会計士をかばう 甲斐は、大輔を連れてファームに戻ると、百合の事務所の定款と雇用契約書を頭に叩き込めと指示する。実は大河原は、出身大学を偽り無資格にも関わらず会計士として働いていたのだ。それを知った大輔は、大河原と自分の境遇を重ねてしまう。 あくる日、甲斐は、大河原を呼び出し、解雇を告げる。百合の事務所は大河原を訴えず、十分な額の退職金も用意するという条件だった。しかし、25年も事務所に尽くしてきた大河原は突然の解雇に納得できない。そのやり取りを聞いて我慢できなくなった大輔は、こんな解雇の仕方なんておかしい、一度百合と話し合うべきだ、とつい口を挟む。すると大河原は、大輔に同調して百合を批判し、不当解雇で訴えると言い残して席を立ってしまう。 ■“偽物”を隠して生きる大輔が吹っ切れる日は来るのか… 大輔は元々、悪友・谷元遊星(磯村勇斗)のせいで運び屋に成り下がり、偶然出会った甲斐に天才的な頭脳を買われて改名し、経歴詐称をして生きている。弁護士資格を持つ別人になりすまして生きているという身の上は、大河原の状況と同じであった。大輔は大河原に「僕は偽物の弁護士ですから」と語り、時々後ろめたいことを抱えているような表情を見せる。甲斐は「堂々としてろ」、「心配ない」と断言するが、大輔のような立場であれば、そこかしこに地雷が埋められているようなヒヤヒヤした日常は心休まらないだろう。 大河原が「所詮、偽物は偽物なんだよ」と漏らすのを大輔は何とも言えない顔をして見詰めていた。他人の目に映る姿が、必ずしも清く正しい順序を経て存在しているとは言い切れない。大輔が“なりすまし”の人生にどう蹴りを付けるのか、この先も見ていきたい。