ギャグになった“あの地名”も=北海道難読地名「函館本線」(下)
今年3月26日、ついに北海道に新幹線がやってきます。この「北海道新幹線」は、新青森駅と新函館北斗駅を結び、およそ15年後には札幌までつながる予定です。 【第一弾】北海道人でも“なまら難しい”「忍路」「麻生」「濃昼」……難読地名の旅 これまで函館~札幌間をつなぎ続けてきたのがJR北海道の「函館本線」です。名前に惑わらされそうになりますが、実は道南「函館」から道央「札幌」を経由し道北「旭川」までをつなぐ、135年以上の歴史を誇る鉄道路線(一部北海道最古の鉄道路線を含む)です。 この函館本線、実に98の駅を有する路線ですが、それだけ多くの駅があるということは、難読地名もたくさん含まれています。そこで、「北海道の難読地名第2弾」では、新幹線が北海道に到達することを記念して、函館本線の駅名を2回に分けて紹介したいと思います。今回は後編です。
函館に向かって南下すると……
前回は「旭川」から「札幌」を通過し「倶知安」方面まで到達したので、ここからは「函館」に向けて南下していきます。“エグい”地名2発からあの“名ギャグ”の地名に到着です。 ●熱郛 道南「黒松内(くろまつない)町」にある熱郛駅。「郛」という漢字、なかなかお目にかからないですが、音読みで「ふ」、訓読みで「くるわ」……熱郛は「ねっぷ」と読みます。アイヌ語の「クンネ・ネッ・ペッ」(黒い漂木の川)の後半部分が由来となっています。ちなみに熱郛駅の旧駅名は「歌棄」(うたすつ)。同じくアイヌ語の「オタ・シュツ」(浜の草原がなくなり砂原にかかる周辺)が由来です。 ●蕨岱 もう一つエグいものを。こちらは「わらびたい」と読むのですが、アイヌ語の「ワルンピ・フル」の転訛です。これは「蕨の丘」(実際にワラビが繁殖していたらしい)という意味なのですが、「ワルンピ」は「ワラビ」の影響を受けているといわれています。
●長万部 語呂の良さから故・由利徹さんがギャグとして流行らせたこともあり、函館本線「前編」でご紹介した「倶知安」(くっちゃん)と並ぶ、王道の難読地名ともいえる長万部(おしゃまんべ)。ちなみにアイヌ語の「オ・シャマンベ」(ヒラメのいるところ)の当て字ですが、この駅では名物の「かにめし」の購入をお忘れなく。