ギャグになった“あの地名”も=北海道難読地名「函館本線」(下)
道南は高速ICにも同じ地名
道南地区は高速道路のインターチェンジと駅名が被っている場所も多いので、レンタカーなどで函館方面を訪れたことのある方にはおなじみの地名が混ざっているはずです。 ●国縫 アイヌ語の「クンネ・ナイ」(黒い川)が転訛した国縫。読み方は「くんぬい」です。国縫駅から徒歩で行ける国縫漁港は日本初の「島式漁港」。橋を渡ってたどり着いた島が漁港になっているという不思議な漁港で、ワイングラスが傾いている形をしているのが特徴です。 ●落部 こちらもアイヌ語の「オ・テシュペッ」(川尻に梁を張る川)が転訛したといわれている地名で、「おとしべ」と読みます。国縫駅同様、内浦湾という漁場のすぐ近くにあり、さくらかれい(赤がれい)が名産品です。
●七飯 函館本線編最後に紹介するのは「ななえ」です。アイヌ語の「ナムナイ」(冷たい川)、「ヌアンナイ」(豊かな沢)、「ナアナイ」(いくつも沢がある)などの説があり、どれが転訛しても「ななえ」と読めてしまうことから、最後にして由来がはっきりしていない地名が登場してしまいました。七飯町には、函館を中心に展開しているハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」(通称ラッピ)のナンバーワン大型店(およそ3000坪の土地に300坪のログハウス風店舗が建っています)があり、家族連れも楽しめる観光名所となっています。
このように、難読地名にはそれぞれの背景があります。それを知ることで、より深くその土地をも知ることができます。 札幌から少し足を延ばして、旭川方面・函館方面を訪問するときに、お役に立てれば幸いです。次の難読地名シリーズがいつになるかは、私の気分次第です(笑)。 (橋場了吾/北海道観光マスター)