大人の脳が圧倒的に活きるトレーニング法の秘訣 同じものを見聞きしても情報量、理解力に差が出る訳
大人になってから資格取得や昇格・昇給試験のための勉強や学び直しを始めている人も多いだろう。そのうちのどれくらいの人が最初のモチベーションを維持し、目標を達成しているだろうか。三日坊主になってしまったり、自分なりに頑張ったつもりなのに結果が結びつかなかった人も少なくないはずだ。 『一生頭がよくなり続ける もっとすごい脳の使い方』を上梓した脳内科医の加藤俊徳氏は、脳にも基礎体力があるという。大人こそ身につけたい記憶力・理解力・集中力を底上げさせる脳の基礎体力のつけ方について5回連載で解説。第3回は前回に続いて脳の働きを活発化する「発火」(ファイアリング)を掘り下げます。 【この記事の他の画像を見る】
■大人脳をフル回転させるための脳の準備運動とは もっとすごい脳になるためには、いかに強いファイアリングを起こすかということと、いかにスムーズなネットワークファイアリングを築いて、情報を速く他の脳番地に伝導することができるかの2点が重要になります。 脳のファイアリングには、短期反応・中期反応・長期反応の3種類があります。脳番地の連携プレーがうまくいっているときは、次のような流れでファイアリングが起こります。
入力による最初のファイアリング/短期反応(最初の発火)→ネットワークファイアリング→中期反応(2度目の発火)→ネットワークファイアリング→長期反応(3度目の発火)という順番です。 短期反応では視覚系・聴覚系・運動系+感情系の一部が動きます。何かを見て反応すれば視覚系脳番地がファイアリングしますし、聞こえてきた物音に反応すれば聴覚系脳番地がファイアリングします。 短期反応は、情報収集に長けた入力系の脳番地が担当しているため、入力系ファイアリングと呼ぶことにします。
入力系ファイアリングは、見ている間、聞いている間、何かに触れている間だけ反応があり、対象物から離れると反応しなくなるのが特徴です。ライターをカチッと押している間だけ火がついて、指を離せば火は消えます。ちょうどそのようなイメージです。 ■3度の発火を起こすのがもっとすごい脳への近道 この最初の入力系ファイアリングで強い短期反応があった後は、そのままネットワークファイアリングが起き、中期反応(2度目の発火)へと引き継がれます。