トランプ氏が買収意欲のグリーンランド 温暖化で「宝の山」に
トランプ次期米大統領が2期目の就任を前に、米国によるデンマーク領グリーンランドの購入に意欲を見せている。背景にはグリーンランドが新たな「宝の島」として注目されていることがある。地球温暖化で氷床が解け、新たな鉱物資源の開発の可能性が高まっているのだ。 【地図・写真】民家の間近に氷山 グリーンランドの風景 トランプ氏はグリーンランドに関しては、デンマーク側が取引に応じない場合、高関税を課すとも主張。記者会見では、軍事力や経済的な手段を行使しないと保証できるかと聞かれ、「どちらも保証できない。経済安全保障のために必要だ」とも強調した。 気候安全保障が専門の関山健・京都大教授はグリーンランドのそばを通過する北極海航路に注目が高まっているとも指摘する。「このまま温暖化が進めば年間を通して北極海航路が使用可能になる」とした上で、「米西海岸から東海岸や欧州に向かう船舶はパナマ運河を経由するが、パナマ運河は気候変動の影響で乾燥が進み、近年は渇水による通行制限が続いている。今後も安定的に利用できるか見通せず、代替ルートとして北極海航路の重要性が増している」と話す。【ニューヨーク八田浩輔】