投身者の冥福祈る 和歌山県白浜町の三段壁で供養式
和歌山県白浜町は10日、町内にある三段壁で投身者と身元不明者の供養式を営んだ。町職員や町議ら約30人が参列し、正光寺(白浜町日置)僧侶の読経の中、焼香して冥福を祈った。 【子ども、家庭の悩み支援 和歌山・白浜「のこのこ」施設移転の記事はこちら】 国のまとめによると、2023年の自殺者は2万1837人と前年に比べて44人減少。小中高生の自殺者は513人と過去最多だった前年より1人少ないだけだった。自殺の原因・動機は、最多の健康問題が減った一方、経済・生活問題が増えている。 町によると、三段壁周辺での死者数は20年4人、21年8人、22年4人、23年10人。24年が7月末現在1人で、保護は18人となっている。町は、自殺防止対策として、三段壁周辺に安全柵と監視カメラを設置しているほか、関係機関と一緒にパトロールをしている。 供養式に参列した大江康弘町長は冒頭のあいさつで「名勝が、悲しい場所になっていることは複雑な気持ち。今後、悲しいこと、不幸なことが増えないよう祈りたい」と述べた。 町は1997年から投身者の供養式をしている。三段壁の後、町中央墓地にある「無縁者之慰霊碑」前でも供養式を営んだ。
紀伊民報