英FCAがコインベース傘下のCBPLに強制執行、約450万ドルの罰金課す
FCAがCBPLに強制措置講じる
英国の規制当局である金融行為監督機構(FCA)が、CBペイメンツ(CB Payments Limited :CBPL)に強制措置を講じ、350万ポンド(約450万ドル)の罰金を科したと7月25日発表した。 CBPLは、大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)のグループ傘下の企業だ。 FCAは発表にて、CBPLは英国で暗号資産活動のための登録がなされていない事業体であり、「CBPLは暗号資産取引を請け負わないが、ユーザーがコインベースグループ内の他の事業体を通じて暗号資産を取引するためのゲートウェイとして機能する」と指摘した。 またFCAは、「CBPLが制限されているにもかかわらず、13,416人のハイリスク顧客に電子マネーサービスを提供した」とし、「これらの顧客の約31%が約2,490万ドルを入金し、これらの資金は出金され、その後、他のコインベースグループの事業体を通じて複数の暗号資産取引が行われ、総額は約2億2600万ドルに上る」と述べている。 FCAは、この違反をCBPLが自主規制を効果的に満たすための「設計、テスト、実施、監視におけるCBPLの適切な技術、注意、勤勉さの欠如の結果」だと主張している。 なおFCAが2011年電子マネー規制(Electronic Money Regulations 2011)に基づいて強制措置を行ったのは、今回が初の事例となるとのこと。 同規則は一般的に、デジタル決済サービス事業を営む小規模な企業を規制するものだ。 ●コインベースもコメント この強制措置についてコインベースは、7月24日のブログにてコメント。 同社のビジネスが「2020年10月30日から2023年10月1日の間に、意図せず、高リスクに分類される一部の顧客をオンボードした(オンボードした顧客の0.34%に相当する)」と述べ、 CBPLは「罰金の支払い」に合意したと報告。 またコインベースは「FCAの調査結果およびコインベースグループへの広範な規制遵守を非常に深刻に受け止めており、CBPLは規制義務の遵守を確実にするため、管理体制を積極的に強化し続けている」と述べた。 コインベースは「私たちは常に、私たちが不十分であることを認め、改善することを厭わない」とし、規制当局と連携し、高水準の規制遵守に引き続き取り組むとしている。
髙橋知里(幻冬舎 あたらしい経済)